このページについて
2013年1月1日から2014年12月末の2年間に旧約聖書1回、新約聖書2回を通読をすることにしました。これはそのグループのサポートページとしてスタートしたものです。
このページの管理人であるわたしは「聖書を読む楽しみIV」の講演でも話しているように、何回か通読をしたあと、1982年10月から、ノートを作り、各章に1枚ずつルーズリーフをあてて「聖書ノート」をつくり、通読を記録するようになりました。それは現在も続いており、ルーズリーフも一番少ない章でも4枚ほどになっていると思います。
わたしは、国際基督教大学に勤務しその学内住宅に住んでおり、学期中毎週1回聖書を読む会をわが家で開いています。こちらは、聖書研究会の形式ですが、学生と一緒に質問を出し合い、語り合う形で続けていますので「読書会」とよぶ学生もいます。特に名前はきめず、学内ホームページには「聖書を一緒に読みませんか」と日・英で広告をだしているので「聖書を一緒に読みませんか」を会の名前のように使っています。ホームページに少しだけ情報があります。出席者は熱心なクリスチャンの方もいますが、クリスチャンではないかたもたくさん出席しています。
2010年の最後のあつまり(第162回・12月16日)に「聖書ノート」のことと、もうすぐ今回の通読が終わることを話しましたら、クリスチャンのかたも含めて「一度読み通してみたい」「なかなか通読できない」という話しがでました。わたしにとっては生活のとても大切な一部となっているので、2011年1月1日から次の通読をはじめることは決めていましたが、いままでの経験を生かして、通読をサポートすることをしてみようと考えるようになりました。
このようにしてスタートしたのが聖書通読の会2011(BRC2011)です。ヨブ記を終えると一旦、旧約聖書をお休みして、新約聖書を読みますが、そのときや、旧約聖書に戻るとき、もう一度、新約聖書を読み始めるとき、学内サイトなどで呼びかけ、最終的には、36人のメンバー登録がありました。殆どは国際基督教大学の学生ですが、途中で卒業していった学生もいますし、職員や、学外の方も少数ですがメンバーになって下さいました。
基本的なサポートはメール行います。前回 (BRC2011)では二年間に101回のサポートメールを送りました。ホームページにも掲載しましたので、興味のある方はご覧下さい。なにも無いところからサポートメールを書いたので、かなり内容もまちまちです。今回は、この BRC2011 のサポートメールをベースに改定版を送っていこうと思います。また、サポートメール以外に、数は多くありませんでしたが、聖書通読の会のメンバーからのメッセージを記名・匿名両方ありましたが、メールでシェアしました。この会に登録していることは、メーリングリストを用いて、自己紹介の形で、紹介することも、最初から最後まで、秘密とすることも可としました。今回も基本的に同じ方針でいこうと思います。
なかなか通読を続けることは大変です。前回も、多くの人が実際には、続けられなかったり、何度も中断しては、再開したり、サポートメールだけを読んで下さったりとまちまちだったようです。あまり、目的貫徹型だけに価値をおかず、ゆったりとした気持ちで、読んで頂ければと思います。べつに通して読まなければいけないなどというルールはありません。1回通して読んだから理解できるわけでもありません。中断してしまっても、また途中から読めばよいのです。メンバーの中には、なかなか続かないからと、仲間で集まって朝読んでいた人もいるようです。みなで聖書全体を読み、世界中のひとたちのこころを揺さぶり、何千年もの間多くの人たちの心をとらえ、啓発し、指針を与え、人生を変え、歴史を変え、そしてあるときは多くの問題をはらむ引用をされ、批判され、非科学的と読みもせずに遠ざけられてきた聖書はどのような本で、何を私たちに語りかけているのか、ほんの少しでも知る(経験する)機会となればと願っています。
お気づきの方も多いように、単に通読が目的であれば、他の方法もたくさんあり、まとめて読んだ方が速いと考えるかたも多いと思います。そのような読み方もたしかに一つです。しかし、日々の生活の中で、少しずつ読むことで、聖書のいろいろな場面をゆっくりとしかしある意味では確実に味わっていくことができると思います。多くの批判も含め、考えながらまず一回目として読むには、このぐらいのペースがよいと思っています。
クリスチャンの人たちは、毎日少しずつ聖書を読み祈る生活を「黙想の時」「Quiet Time」「静思の時」「Devotion」などなどと呼ぶこともあります。それぞれの精神生活の重要な部分として位置づけているからです。わたしはこのような意味をこめて聖書を通読していますが、この会に参加する人はそのような意識をしなければいけないとは思っていません。しかし疑問をたくさん持ち、あるときはそれを自らに問うこと、すぐ問題の解決をもとめず、疑問・問題としてしっかり持ち続けること、そしてグループの他のメンバーの感想も時々目にすることを通して、聖書からのメッセージを受け取ってくれればと願っています。
案内は日・英で出しましたが、英語でサポートレターを書くことはわたしには難しいので、日本語のみで書きます。また、国際基督教大学とは関係のないかたで、このホームページをご覧になり、参加したいというかたがおられるかも知れませんが、基本的には、今回は「内輪の会」とさせて頂きます。むろん、この会の通読予定表などを参考に、一緒に読んで下さる方は歓迎です。その方達のためにもなるとおもわれることは、このページに書いていきたいと考えています。
予定など基本的なこと
- 聖書全体(旧約聖書と新約聖書)を通読します。
新約聖書だけではなく旧約聖書も読みますので、最初が創世記となっているものを入手して下さい。基本的にはイエスキリスト誕生以前の神の約束が「旧約」イエスキリスト誕生以後が「新約」です。
- 一日2章ずつ各自で読んでいきます。
つまり、集まって読むことはしませんが、聖書の同じ箇所を読みます。
2年間で旧約聖書1回、新約聖書2回読むペースです。
- 2013年1月1日に創世記の第一章から始めます。
- ヨブ記がおわったら、新約をマタイによる福音書から読み始めます。
- 新約がおわったら、また旧約の続きの詩編から読み進めます。
- ずっと続けると、2014年のクリスマスの次の日に、旧約聖書1回、新約聖書2回読み終えることになります。
- 通読の予定は「聖書通読表 (pdf)」を参照して下さい、
二ページからなっています。一ページ目は各巻を読み終わる予定の日付がついており、二ページ目は聖書の巻名と章だけがかいてあります。
(これは Microsoft Excel を使って作成したものです。もとのファイルが必要な方は、ホームページトップに私の電子メールアドレスもありますから、簡単な自己紹介をそえてメールをください。送らせて頂きます。日本聖書刊行会の新改訳聖書、日本聖書協会の口語訳聖書、新共同訳聖書の巻名などの対照表も含まれています。)
- 一箇所だけ問題があります。旧約聖書のヨエル書とマラキ書の章の数が聖書によって異なります。これは、ヘブライ語の底本として何をつかっているかによっているもので「新共同訳」はビブリア・ヘブライカ・シュトゥトゥガルテンシアをもちい「口語訳」や「新改訳」はビブリア・ヘブライカ・キッテルを使っているためです。しかし、全体の章数はいっしょですので、ご自分の聖書の章数にあわせて読めば、旧約聖書を読み終わるときは同じになるはずです。全体として旧約939章、新約260章、あわせて1189章は変わらないからです。自分の聖書はどの訳だかわからないという方もおられると思いますが、そのときは、新約聖書の5番目の巻名が「使徒の働き」となっていれば「新改訳」、「使徒行伝」と書いてあれば「口語訳」、「使徒言行録」と書いてあれば「新共同訳」です。むろん、他にも訳はたくさんありますし、次の翻訳の計画も進んでいると聞きましたが、これら三つが現在一番普及していると思うので、この三つの訳だけについて書きました。
- 「新共同訳」には「旧約聖書続編」がついているものがあります。アポクリファと呼ばれています。これは、旧約聖書と新約聖書が書かれた間の時代(通称「中間時代」)のものですが、プロテスタント教会では聖書とは認めておらず、またカトリック教会でも他の「聖書」とは区別されていますので、今回はこの部分は読みません。
- 参加者にはときどきメールを送ります。どのようなことを書くことになるかは不明ですが、基本的には次の三つを考えています。(各章ごとにコメントをするなどは致しません。)
- 通読している巻の概要と簡単な解説
- 通読のための激励。予定通りに読めていない人の復帰のためのアドバイス。
- 通読をしていて、他のメンバーと分かち合いたいメッセージ、または質問事項の転送。
- 質問に関する応答。
- 自己紹介しても構わないという人には、一回だけ、メールで自己紹介をしてもらおうと思いますが、それ以降は、わたしは別として、匿名またはイニシャルだけとします。それは、メールという電子媒体で、転送、転記載、引用などが簡単であることを考え、参加者に迷惑がかからないようにするためです。しかし、共に読むという共同体的な意味合いはとても大切だと思っています。その両者を考えた措置です。
はじめるにあたって
まずは、聖書(旧約聖書と新約聖書両方の入ったもの)を用意して下さい。いろいろな訳があります。どれでも構いませんが、初めて読む場合には、日本聖書協会の新共同訳か口語訳か、日本聖書刊行会の新改訳をお薦めします。わかりやすく意訳したものも最近はいくつもありますが、それは、二回目以降にすることをお薦めします。
聖書は全部で66巻、1189章、からなっています。大体一章3分あれば読めますから、60時間もあれば読めます。わたしだけでなく、そう考えると読み通したいと考えている人も、おそらく、単に読み通すことを考えているのではないと思います。そこで、この読み終えるというより、毎日読むためにわたしが考えていることを少しだけ書きます。おそらく問題はつぎのように分類できるのではないでしょうか。
- 読み始めるきっかけが作れない。
- 読み続けることが習慣にならず、続かない。
- 動機付けがだんだん低下し、いつかやめてしまう。
読み始めるきっかけが作れない。
大変そうだということがまず頭にのぼってきて、始められないのかも知れません。今回、始めようと決断したひとは、この問題は克服しているわけですから、詳しく書くことは省略しましょう。でも、聖書を毎日読むのは本当に素晴らしい事ですよ。是非始めましょう。
読み続けることが習慣にならず、続かない。
- 表題にあるように「習慣」になるかどうかです。みなさん「習慣」を持っているはずです。ごはんをたべるとか、歯を磨くとか、新聞を読むとか。この一つとして、一日のどこに「聖書」を入れるかをまず考えて下さい。読むだけなら、5〜6分で可能です。以下に私が書くようにノートを作って読んだとしても、15分程度あれば十分です。むろん、それ以上さくとできることも増えますが、続けられないリスクも増えます。おすすめは、10分から20分。かならず(無論律法主義的にする必要はありません。)一日のうちその時間は「聖書」に使うようにします。厳しいようですが、何と言っても、これが続く最大の秘訣です。
- まず目を閉じて祈ります。クリスチャンではないかたは祈りは抵抗あるでしょうから、最低10秒間目を閉じて静まって下さい。それまでやってきたこととの区切りをつけることができます。わたしは、一般教育科目の授業など、大きなクラスでは最初かならず「黙祷・黙想」から始めます。静かになってから授業を始めます。クリスチャンの人は神様の心である聖霊の導きを祈り、クリスチャンでない人はまず静まって始めましょう。
- 一章ずつ読みます。できれば、気になったところ、疑問に思ったこと、または聖句(各章の中に番号が振られています。それは節で、節程度のまとまりを「聖句」とも呼んでいます。)を書き写すことをお薦めします。目的な以下の通りです。
- 人間はすぐ忘れてしまうから。あとでながめると疑問が解決していたり、自分のこころの履歴を感じることもあります。
- 何かを書くことにしておくと、より注意深く読むようになります。永い間には眠いときも何も頭に入ってこないときもあります。そんなときも、一節写すと、いろいろと気になることが出てくるものです。
- 疑問や感じたことを言語化する。頭の中だけでははっきりしないことが、言葉にすると、明確になることがたくさんあります。
- わたしは、その日の予定の確認や(とくに大変なことがあるときなど)簡単な心のメモも書いておくことがよくあります。簡単な日記にもなります。
あまり頑張りすぎないこと。一章について数行もあれば十分。普通のノートでも、日記のようなものでも、何でもかまいません。手帳は少し小さいと思いますが、使い方によっては可能かも知れません。欲張らないこと。
- 旅行や通常とは違う予定があるときは、前倒しに読むことも、あとから追いつくために余分に読むことも良いと思います。あまり多量にするのは、毎日少しずつ読むということに反しますが、一番つづけやすいように、柔軟にするのがよいでしょう。
- 読んだところまで聖書に日付を書くのもよいと思います。また通読表の該当箇所を斜線で消すのも良いでしょう。つまらないと感じるかも知れませんが、やはり小さな達成感は続ける力になります。「通読表」はそのためのものです。聖書や聖書ノートなどにはさんでおくと良いでしょう。
- 間があいてしまったとき。わたしのお薦めは、その日よりすこし後に読む新しい巻から読み始めることをお薦めします。聖書は巻というように、もともとは巻物です。順序は実は、ユダヤ教の聖書では、別ですし、むろんあとで考えられたものです。何度でも始めれば良いと思います。上に書いたように、通読表に記をつけていれば、どこを読んでどこをよんでいないかわかります。時間のあるときにまとめ読みしても、次回の通読にまわしてもよいでしょう。やめてしまったところから続けるのも一つですが、皆で読むことも励みになりますから、他のひとと同じところまたはそれに近いところを読むことをお薦めします。
- 区切りからまた参加するのもよいでしょう。その予定が通読表に書いてあります。目安としてヨブ記がおわり新約聖書にうつるのは8月28日から。新約が終わり、詩編にもどるのは次の年の1月5日、8月18日には旧約聖書もおわり、同じ日の二勝目として、マタイによる福音書の1章にはいります。
- 旅行など他の場所で聖書を読むこともインターネットにつなげることができれば可能です。下にリンクを書いておきました。また、スマートフォンや携帯音楽再生機器でも聖書を読むことができるようになっています。日常的にそれを使うことはあまりお薦めしませんが、いつでも読むことができることは、やはり便利です。また音声ファイルもあります。ほんの一部ですが、下に紹介しておきます。
動機付けがだんだん低下し、いつかやめてしまう。
多くの場合、まったくわからなくなって、動機付けが低下するというケースです。
- 最初から理解できるということは無理だと思います。粘り強く疑問を書き留めておくことです。
- 自分はなにも感じなくても、他の仲間がなにか分かち合ってくれることもあります。一緒に読むメリットです。なにしろ同じ所を読んでいるのですから。
- わたしもサポートします。どの程度の頻度でできるかはわかりませんが、聖書全体のなかでの位置づけなども少し書けると良いですね。
- 聖書は通してよむだけではなかなかわかりません。歴史的背景をしらべたり、他の部分との関連を検討したり「聖書研究」といわれることをしないと、理解できないこともありますし、人生であることを経験してやっとわかることもあります。また一生わからないこともあるでしょう。わたしも、何回通読したかもう数えないようにしていますが、毎回新しい発見があります。こんなことが書いてあったのかと。毎回新鮮な気持ちで読みたいと思っていますし、たしかにそのような感動が与えられます。
リンク
- 日本聖書協会
新共同訳・口語訳の聖書を発行しており、章ごとに読むこともできます。
- 日本聖書刊行会
新改訳聖書を発行しています。
- Bible Gateway
世界各国の聖書を読むことができ、英語版などは朗読を聞くこともできます。日本語版は、リビングバイブルをここで読むことができます。検索も非常にすぐれており、わたしは聖書の勉強の時ほとんどここを使います。
- 聖書通読表:
東京キリスト教学園の卒業生たちによる運営サイトとなっています。クリスチャン向けですが、基本的な情報は、ここから得られます。リンクもまずここからのリンクを探すのが良いでしょう。
- 聖書通読のたすけ
聖書人物略図と王の系図(新改訳表記・新共同訳表記)、各巻の簡単な解説などがあります。
- 日本語の聖書
日本聖書協会の口語訳聖書(正式には共同訳 1954, 1955年版)は著作権保護期間がきれているため、各所にいろいろな形式でファイルが公開されています。
口語訳以外もまたさまざまな形式のファイルもあります)
- 聖書を聖書で読む:
無教会の背景を持っておられる建築士高橋照男氏のページ。日本語訳聖書の比較が載っています。
- 聖書で英語:
機械朗読ですが、mp3 ファイルがあり、日本語聖書(口語訳)を音声で聞くことができます。また気軽に日英の対訳も読むことができます。
- Audio Treasure:
古い英語ですが長く読まれている The King James Bible と、American Standard Version (KJV) をもとにして最初から著作権フリーの英語訳をした The World English Bible (WEB) の 朗読ファイルなどがあります。WEB は簡単な現代英語ですので、非常に聞きやすくなっています。このサイトで聞くこともダウンロードして聞くこともできます。他にもいろいろと興味深いものがあります。
- LibriVox:
主として英語の本で著作権が切れたものを朗読し無料で公開・提供しているサイトです。ここで Bible と検索すると英語の聖書朗読を聞くことができます。
- 聖書地図:
日本語の聖書地図 1956年版。わたしも使っていました。
- Onliine Bible World:
聖書に関するアメリカ聖書協会などで発行している地図があります。他の情報もいろいろあります。
- Bible Atlas:
聖書に関するさまざまな地図があり、一括して Download もできるようになっています。英語ですが、基本的な地図はすべて含まれているように思います。