コンピュータを使って囲碁を学びませんか

Computer Assisted GO Learning

• はじめに
• 囲碁アプリ GO Applications
• AI 碁 ソフトウェア AI GO Softwares
• オンライン 碁 GO Online
• YouTube　ビデオ
• モバイル・アプリ
• 棋譜のサイト
• 参考にしたサイト

はじめに

わたしは、AI の専門家ではありませんが、個人的には、Alpha Go を率いた、デミス・ハサビス (Demis Hassabis) の影響はとても大きいと思います。特徴的なのは、それまでは、人間の知識を最大限に学んで、強くなっていったものが、コンピュータ同士でゲームを繰り返しながら、深層学習において必要なパラメターを、強化学習の手法で調節していくことができるようになったことだと思います。その背景には、人間の脳の研究があると聞くと、良い手を学ぶことから、思考方法を学ぶことに進化しているとも捉えることができるのではないでしょうか。むろん、人間の思考の一部分に過ぎないという評価もあたっていると思います。しかし、人間の学習も、先人の知識を学ぶことから、どのように考えるのかを学ぶことに、シフトするたいせつさも教えてくれているように感じます。

それから、二・三年で、AI碁を上手に使って学ぶプロが、プロの世界でも上位を占めるようになり、学ぶスピードも加速しているように見えます。Alpha Go が出た頃と比較すると、プロの力もかなりあがったとも言われています。そして、トップ・プロをことごとく打ち負かした Alpha Go などよりは、いまは、トップ・プロの方が強いというかたもおられるようです。しかし、また、AI 碁も、さらに進歩していることも確かです。その中で、AI碁を利用しながら、学び、また、プロの碁を鑑賞するという、それまでには、なかった碁の楽しみ方も生まれてきています。

わたしは、小学生、中学生のころは、祖父や友人と囲碁をよく打っていました。また祖父が貸してくれた和綴本の古い囲碁の本で勉強したことも思い出されます。しかし、それ以降は、誘われて少し打った時期はありますが、勉強をして強くなったという感覚はありません。小学生・中学生のころから、あまり上達していないように思います。そんなわたしも、また、勉強してみようと思うようになっています。それは、AI碁のプログラムが、いろいろな方の協力によって、無償で、公開され、それで楽しむことができるようになってきたからです。年齢もありますから、あまり強くはならないと思いますが、いままでにはない楽しみ方ができるのではないかと思い、このページを書いてみることにしました。

Windows や、Linux も多少使える環境にありますが、特に日本では、あまり利用者が多くはないと思われる、Mac OSX をメインで利用しているので、Mac を中心に、少し覚書を書いておこうと思います。すべて、Windows でも使えるものばかりです。特に、学ぶことは、すべてのひとに開かれている (universally available) ことが、人間の間のさらなる格差を拡大しないためにもたいせつだと思っているので、基本的に、無償のもののみを、紹介したいと思います。現在は、無償のものでも、素晴らしいものが、たくさんあると思います。ただ、無償のものは、利用に、多少の障害（ハードル）があり、すぐ、使い始めることができるわけではない面もありますから、それを、覚書として書くことで、すこしでも、このすばらしいゲームを学び楽しむ幅を広げてくださる方があればと願っています。

囲碁アプリ GO Applications

• Leela: Leela の開発元のサイト
  
  • Download のところに、Windows, MacOS, Ubuntu Linux などとありますから、ご自身のコンピュータにあったものをダウンロードすればすぐ使うことができます。Mac OS の場合は、Apple 純正のソフトではありませんから、アプリケーション（Applications）に入れてから、最初に開くときは、Control を押しながら、クリックし、開くを選択します。
  • Leela と　Leela OpenCL と書いたものがあります。後者は、OpenCL に対応した、ビデオ・カードが必要です。ただ、Mac では、どちらでも、問題ないと思います。
  • Alpha Go Zero に触発されて、このかたが、Leela Zero を開発しています。それは、アプリとしては導入できないので、下に説明します。
  • これだけでも、十分楽しむことができると思います。
  • メニューを見れば、使い方は大体検討がつくと思います。
  • 2017年で開発終了としてあります。新しい、Apple Chip を使った新しいコンピュータの場合については、チェックしていません。うまく使えないときは、この下のソフトウェアところで書く、Home brew を使ってインストールすれば使えるのではないかと思います。Apple Chip を使った新しいコンピュータので、使えるかどうか試すことができませんので、ここには、書かないことにします。

AI 碁 ソフトウェア AI GO Softwares

Katago

• katago のインストールと、碁盤アプリ katrain（katago 専用: https://github.com/sanderland/katrain）での利用
  1. HomeBrew を利用（Install していなければ、下の行を Terminal  にcopy & paste then enter）：https://brew.sh
     - /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
  2. - brew install katago # 時間がかかる
  3. Katrain の install by pip3
     1. - brew install python3
     2. - pip3 install katrain
     3. - ls /usr/local/Cellar/katago/ # (check the version of katago) - 1.9.1 when installed
        （上の一行は不必要ですが、Sabaki など他の碁盤ソフトで利用するときは必要になる場合があります。また、Update を確認するときも、必要ですね。）
     4. （Check したい場合は：katrain　と Terminal に入力しても、使用可、しかし、下を導入すると簡単なので、そちらを紹介します。）
  4. 碁盤アプリ katrain をインストールします。Binary download: https://github.com/sanderland/katrain/releases (一番下 at Patches start with ctrl+click)
     1. https://github.com/sanderland/katrain/releases にアクセスします。
     2. 下の方の、Patches の中の、皆さんのコンピュータに対応したもの（Mac の場合は、KaTrainOSX.dmg）を、ダブルクリックして、ダウンロードします。
     3. 通常のインストール作業で、アプリケーション（Applications）に追加します。
     4. 最初に起動するときだけ、アプリケーション（Applications）の中の Katrain を、Control キーを押しながらマウスをクリックし、開くを選択します。（Apple 純正ではない、ソフトを起動するときはこの方法によります。）
     5. 一回目の起動には、時間かかると思います。右下の、情報というところに、KataGo engine ready と出れば、成功です。
     6. 左上の三本線のところをクリックすると、一番下に、国旗が見えます。そこで、日本語らしいものを選択すれば、日本語になります。ここがメニューですので、あとの基本的な使い方は理解できると思います。（左上には、アップルマークの右に、Python, Window とでます。）
     7. 学習や検討のための使い方は、katago と検索するといろいろと情報が得られると思います。
     8. （ここまでで終了としてしばらく、Leela と、Katago で学び、楽しむのがおすすめです。しかし、どうしても、人は一連のしごとを続けて、もう少しいろいろなことをしてみたいものですので、その場合は、次のステップ以降を試してみてください。）

Katago を KaTrain で

すこしだけ、使った経験を書くと、なれることが必要ですが、2022年6月3日時点で、50局ほど打ってみて、7子、6子は勝てるようになりましたが、5子は、やっと勝ったという状態です。6子や7子でも少し油断すると負けてしまいますが、現在は、5子で、確実に勝てるようになればと思っています。私は、小学生のころ一番熱心だったと思いますが、その頃とは、囲碁自体がとても変化・進化したと思います。置碁の場合、安全策を取り、それほど過激に打つ必要はありませんが、AI は、すごい手を連発してきますから、手を抜いてよいのか、相手が手を抜いたところを決めたほうが良いのかなど、細かい注意はやはり必要です。AI が示す変化は、難しすぎて、選択できない場合も多いので、かなり時間をかけて、勉強し、また、定石の変化を研究し、ある程度覚える必要もあるのでしょう。若くないと、やはり難しいのかもしれません。しかし、AI の思考を垣間見ることで、囲碁の深さも、感じることができ、AI がなかった時代と、AI が開発されて以降の世界を経験できたのは、本当に恵まれていると感じる。

オンライン 碁 GO Online

• COSUMI:入門者および初心者用のサイトです。下で、言語が選択でき、碁のルールから書かれています。碁盤サイズや、置き石も事由に選択できます。サイトの美しさは十分。ただ、強さは保証の限りではありません。
• Leela Zero
  最初は、Leela 86fa6e9 Strength: 9P となっていますが、Change で、変更が可能です。また、New Game で、置碁も4子局まで選択できます。また、"Play against KataGo!" の KataGo をクリックするとこの下のリンクに飛びます。
• KataGui 3.9.5
  Katago 1.9.1 を体験できます。Setting では、Play Speed が変更でき、New Game では何種類かの設定もでき、置碁も9子局まで選択できます。また、国旗を選択すると、言語も変更可能になっています。Katago の仕様と同じになっています。これは、10 blocks（弱い・速い）レベルですが、個人的には、十分なように思います。
  さらに、Email を登録（Register）すると、10 blocks（弱・速い）, 20 blocks（中）, 40 blocks（強・遅い）の中から強さも選択もできます。 遅いレベルでも、そんなに遅い感じはうけませんし、無料で、このレベルを体験できるのは、とても素晴らしいと思います。
  検討などを、いろいろとするには、コンピュータにインストールしたものを使うのがよいと思いますが、良い手の候補も示してくれますし、まずは、十分なレベルの Online Go Game だと思います。

YouTube など

• 囲碁棋士 柳 時熏のGo Channel
  柳時熏さんは、十分強いプロの囲碁棋士ですが、早碁や、AI碁と打ったりと、興味深いコンテンツを、非常にたくさん公開しておられます。宣伝がたくさん入るのが、ちょっと気になりますが、勉強にもなると思います。
• つるりんチャンネル
  囲碁棋士 鶴山淳志八段（つる）、林漢傑八段（りん）による 『新感覚囲碁バラエティ』番組！
  ふたりとも、トップ棋士ですが、とても、たのしいチャンネルです。お二人が素晴らしいです。
• 囲碁_高先生
  AI 碁を用いると、定石や序盤なども、かなり研究ができる。しかし、アマチュアにとってはかなりの負担、また、真似て打つだけでは、理解していないために、たくさん、失敗をする。そこで、たとえば、定石については、このサイトなども、良いように思う。説明が丁寧でゆっくりなので、理解した気になるので、それを使ってみて、また、確認というのもあるように思う。様々なパターンを扱っている。
• 横浜囲碁サロン
  こちらのサイトも、たくさんのビデオでの解説が提供されています。自分が困ったケースは、AI 碁を使うことで、自分でも、解決策を探すことが可能ですが、やはりまとまっているサイトは、有益です。むろん、最後は、自分でどの程度理解して使えるかですが。
• okao囲碁研究所
  アマチュアの方のようですが、よく研究されていて、説明も上手だと思います。これを見てすぐその技術が身につくわけでは有りませんが、AI Go を使いこなしておられるように感じます。

タイトル戦の中継なども今は、YouTube で見ることができるようになっており、多くの方に楽しんでいただければと思います。

モバイル・アプリ

• みんなの囲碁：Apple Store・Google Play
  わたしは時間の空いたときに、９路盤で、遊んでいます。19路盤では、物足りない感じがします。
• 詰碁プロ：Apple Store・Google Play
  毎日、入門・初級・中級の詰碁が２つずつ配信されます。また、無料で、入門・初級・中級と50問ずつ、問題が含まれています。
• 詰碁の森：Apple Store・Google Play
  こちらも、毎日、詰碁の問題がレベルごとに、配信されます。かなりの問題数も含まれています。

棋譜のサイト

• 棋譜ぅホーム
  このサイトには、棋譜だけでなく、詰碁などの問題集もたくさんあります。
• KifuDepotホーム
• 囲碁棋譜.com：ホーム

参考にしたサイト

• デミス・ハサビス Demis Hassabis
• Google’s Intelligence Designer by Tom Simonite
• Gigazine: 囲碁チャンピオンを打ち破ったGoogleの人工知能「AlphaGo」を作った天才デミス・ハサビスが人工知能を語る
• YouTube Videos
  • Demis Hassabis, The Theory of Everything (2015/05/13)
  • Public Lecture with Google DeepMind's Demis Hassabis (2015/11/19)
  • The computer that mastered Go (2016/01/28)
  • Google DeepMind: Ground-breaking AlphaGo masters the game of Go (2016/01/28)
  • 囲碁検討ソフト KaTrain 使おう！ 導入から簡単な使い方を紹介：Windows の場合の解説が日本語のコンピュータ音声でされています。
• 法楽日記：囲碁AIソフトをインテル版 macOS 11 Big Sur にインストールしてみた ( 2021/03/27)
• 大橋インタビュー：いま囲碁界で起きている”人間とAI”の関係 (2021/02/25))