Last Update: February 21, 2005
References for ALGEBRA
代数学参考書 :
代数学一般
- 永尾汎 「代数学」 朝倉書店
非常に、よく使われている教科書ですが、自習用としては、難しいと思います。予習復習をしながら理解していって下さい。ALGEBRA I III (代数学 I、III)でも使います。授業で全てをカバーするわけではありませんが、これ一冊理解すれば、大学院入試、米国大学院の Comprehensive Examination にも大体十分と思います。
- Derek J. S. Robinson, "An Introduction to Abstract Algebra," de Gruyter Textbook, Berlin-New York 2003, ISBN3-11-017544
新しい本だが、ペーパーバックで比較的安価。よくまとまっており、符号/暗号などにも簡単な応用が入っている。University of Illinois, Urbana-Champaign の教授で、Undergraduate Level ではスタンダード。アメリカの教科書にしては、少し練習問題が少ないが、証明はしっかりと書いてある。
- Serge Lang "Undergraduate Algebra" second edition, Springer-Verlag
広く使われている教科書。Lang は、教科書を書くのがとても上手だと評判です。
- Serge Lang "Algebra" third edition, Addison-Wesley
大学院レベルの教科書。勉強するのは、この本の一部分ですが、レベルとしては、十分読むことができると思います。私(鈴木)は、大学2年生から、4年生まで、自主ゼミで、仲間と、この本をずっと勉強しました。
- 服部昭 「現代代数学」、「現代代数学演習」 朝倉書店
永尾先生の教科書がでるまでは、良く使われていた教科書です。少し、難しいですが、「演習」も良く書かれています。
- van der Waerden "Modern Algebra", Springer
(銀林訳 「現代代数学」、「演習現代代数学」 東京書籍)
古典的名著です。演習書も充実しています。
- 成田正雄 「初等代数学」 共立出版
簡明に、かつ、具体的な例も豊富に書かれている素晴らしい本です。成田先生は、国際基督教大学で長年教えておられた先生です。惜しむらくは絶版なこと。しかし、図書館には2冊入っているようです。
- 寺田文行 「数理・情報系のための 代数系の基礎」サイエンス社
1 整数から整域・体へ、2 群、3 ベクトル空間とR加群、4 体の拡大、5 集合
導入の第1章に工夫がされている。問題の解答も巻末に詳しく載っている。
- 「演習 群・環・体 入門」新妻弘著、共立出版株式会社 (ISBN4-320-01651-3, 2000.2.25)
- Vivek Sahai and Vikas Bist, "Algebra," Alpha Science International Ltd., Pandbourne. 2003, ISBN 1-84265-157-9.
India の大学の先生が書いたもの。よくまとまっており、練習問題も十分ある。
- I. N. Herstein, "Abstract Algebra," Third Edition, Wiley, ISBN 0-471-36879-2.
環論の有名な研究者が著者。記法が標準的かどうかは疑問だが、丁寧にまとまって書かれている。問題も、Easier - Middle Level - Harder とわかれていて、取り組みやすい。
- W. Keith Nicholson, "Introduction to Abstract Algebra," Wiley-Interscience, ISBN 0-471-33109-0
基本的なことがよく詳しく書かれていて自習向き。問題も多く、答えもある程度書いてある。
- 横井秀夫/はだ野敏博著「代数演習[改訂版]」サイエンス社, ISBN4-7819-1040-8
演習書。良く答えも丁寧に書いてある。集合と写像・群・環・体・ガロアの理論。
群論
- 鈴木通夫 「群論上、下」 岩波書店 (Springer より英訳有)
日英両方とも、有名で、群論の教科書としては、世界で最も評価の高いものです。1997年、鈴木先生の70歳の誕生日を記念して、ICUで国際シンポジウムが開かれました。しかし、残念なことに翌年1998年5月31日急逝されました。
- 浅野啓三、永尾汎 「群論」(岩波全書) 岩波書店
良くまとまっている教科書です。レベルとしても、適当です。
- 近藤武 「群論」(基礎数学講座) 岩波書店
基礎的なことから、高度のことまで良くまとまって書いてあります。最初の3分の1ぐらいでこの授業としては、十分です。
- 「化学や物理のための やさしい群論入門」藤永茂・成田進共著、岩波書店 (ISBN4-00-005190-3, 2001.3.28)
環論
- M. F. Atiyah and I. G. Macdonald "Introduction to Commutative Algebra", Addison-Wesley
環論は大きく分けると、可換環論と、非可換環論に分けられます。可換環論は、整数論や、代数幾何学につながり、その基本的な例は、有理整数環 Z や、体の元を係数とする多項式環 K[x1,...xn] です。この本は、その方面に進むための準備を与える基本的な教科書です。一方、非可換環の基本的な例は全行列環です。非可換環論は、半単純環の理論等を経由して、表現論といわれる分野とつながっています。その入口を与えるものとして、次の本をあげておきます。
- C. W. Curtis and I. Reiner "Representation theory of finite groups and associative algebras", Wiley−Interscience Publication
体論
- スチュアート 「ガロアの理論」共立全書
問題が多く自習にも適する。
- 永田雅宜 「可換体論」裳華房
授業でカバーできない範囲も充実しておりこの本を参照すれば学部レベルの体の問題は大体解決できる。
- アルチン 「ガロア理論入門」東京図書
線形代数を中心的な道具として使い、初等的な証明を与えている。本講義の定理の証明方法は、この本に負うところも多い。
その他
- 「数論入門 ー ゼータ関数と2次体」D・B・ザギヤー著、片山孝次訳、岩波書店 (ISBN4-00-005515, 1990.8.2)
第一部 ディリクレ級数 (ディリクレ級数:解析的理論、ディリクレ級数:形式的理論、ガンマ関数、リーマンのゼータ関数、指標、L関数、負の整数点におけるディリクレ級数の特にL級数の値) 第二部 2次体とそのゼータ関数 (2元2次形式、L(1、χ)の計算と類数公式、2次形式と2次体、2次体のゼータ関数、種の理論、簡約理論、s=0におけるゼータ関数の値、連分数および類数
- 「初等代数幾何講義」M・リード著、若林功訳、岩波書店 (ISBN4-00-005441-4, 1991.1.25)
はじめのお話、第一章 平面曲線と遊ぶ (平面2次曲線、3次曲線と群法則、曲線とその種数) 第二章 アフィン多様体 (アフィン多様体と零点定理、多様体上の関数) 第三章 応用 (射影幾何と双有理幾何、接空間と非特異性・次元、3次曲面上の27本の直線、結びのお話)
- 「平面曲線の幾何」飯高茂著、共立講座 21世紀の数学18、共立出版株式会社 (ISBN 4-320-01570-3, 2001.4.25)