Last Update : December 10, 1998
CALII 微分積分学II
この授業について :
受講者の皆さんへのひとこと
- この授業では、多変数関数の微分積分の基礎について学びます。厳密な理論の展開よりも、微積分を使うことを目的としています。Calculus I の内容を、多変数関数の場合に考えるのが中心です。多変数関数は、グラフに描きにくいこともあり、具体的イメージが持ちにくいこともあります。しかし、多変数になって応用の範囲が飛躍的に増えるという面もあります。
- 講義で理解できたつもりでも実際に問題に当たるとなかなか難しいものです。必ず自分で手を動かして、計算して下さい。
Math is NOT a spectator sport!!
その意味でも、演習が主で、講義は補助的と思ってください。最低でも一週間に三時間ぐらいは講義演習とは別に時間をとって頭と手を動かして下さい。特に演習の時間を有効に使うためにも、積極的に問題にチャレンジしていって下さい。わからなくなったら早めに質問に来て下さい。
- 実は、Calculus II は毎年私も受講学生もとても苦労する科目です。まず第一にCalculus I と違い高校で勉強したことの難度をあげたものとはいえない新しい問題がたくさん出てきます。また、Calculus I はElementary Calculus, Calculus I E を含め受講学生の背景により細かく分かれていますが、ここでは、それが一つになっています。Calculus I では、高校でのことを多少復習しながら進めますが、Calculus II では少なくともElementary Calculus の内容は仮定します。Totally lost となる前に少しずつでも確実に理解していってください。
教科書・参考書
- 教科書 :有馬哲、石村貞夫著 「よくわかる微分積分」 東京図書
教科書としては非常に豊富な計算例が出ています。その意味でとても親切な教科書ですが、問題が二つあります。
- 理論の骨格がわかりにくい。そこで、講義ではその点を中心にして説明していきます。
- 解法まで詳しく書かれているため、読めばそれだけでわかった気持ちになってしまいます。もちろん、説明を聞いて大体わかることと、自分で考えて解いていくことの差がどれくらい大きいかは皆さんいやと言うほどご存知のはずですね。
- 理論を理解したい人への参考書:高木貞治著 「解析概論」 岩波書店
私の年齢以上の日本人の数学の先生で、この本に接したことがない人はおそらくいないでしょう。それほど有名な本です。授業では実際に計算できることに重きをおいて進めていきます。是非、このような理論的な本にも積極的に挑戦していって欲しいと思います。
- できるだけこの欄を充実させていく予定です。図書館にあるこの授業に対応する参考書は日本語200冊、英語100冊程度入っているようです。少しずつ紹介していけたらと思っています。