Last Update: June 23, 2004
BCMM I
数学通論 I
2004年度:通信欄メッセージ :
- この授業に期待すること。要望。自分にとって数学とは。
- 日常生活において、論理的とはどういうことでしょうか。どういう場合に論理的なことが大切でしょうか。
- 数学における論理思考を日常における種々の問題の考察、議論に適用する時にもっとも注意すべきことは何でしょうか。そのほか、何でもどうぞ。
- 中学・高等学校などで、数学がきらいまたはとても苦手だと思っている生徒が多いようですが、原因は何でしょうか。改善方法はありますか。
- 理学科生以外に対する ICU における数学(または自然科学)はどのような内容をどの程度提供し、どの程度課すのが良いでしょうか。現在は必修は自然科学系一般教育科目として最低6単位。
- ICU を選んだ理由は何ですか。ICU 理学科のより魅力的にするにはどうしたら良いでしょうか。
- 最近感激または感動したこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、怒っていること。
- 21世紀における科学の使命は何でしょうか。その他何でもどうぞ。
- 何でもどうぞ。
- (1) この授業について。特に改善点について。
(2) ICU の教育一般について。特に改善点について。
この欄は QUIZ(小テスト)等における通信欄での受講学生とのやりとりを記録したものです。返事を書いて翌週に返却していますが、わたしからのメッセージの一部をまとめたものも掲載することとしました。個人情報については注意して運用していくつもりですが、何か問題がありましたら、鈴木寛 hsuzuki@icu.ac.jp まで御一報下さい。
QUIZ1 : この授業に期待すること。要望。自分にとって数学とは。
- 手段として数学をつかえるようになりたい。
- (結局は自分の努力次第だとは思いますが)数学、基本的な考え方を身に付けたいと思います。
- 2を6時間も考えたが結局分からなかった。
自分にとって数学とは…道具。多分、将来物性をやるので。
- 高校までの数学においては、どちらかというと幾何や解析が中心で、集合や命題は大きなウェイトを占めておらず、自分でも得意ではない分野であったが、この授業でその面白さを知ることができたら良いと思う。自分にとって数学は今のところ生きる上での一手段です。
- しゅみ?
- この授業で「論理的な思考」を徹底させたい。数学は major ではないが、ある意味、趣味のような存在。数学の世界を観光できるぐらいの数学語は、修得したいものだ。
- わかりやすさと深さ、面白さ。
数学とは…紙とペンと頭さえあれば楽しめる素敵なモノ(笑)
- 数学とは挑戦であり、そしてゲームである。
- 練習できる時間があって身につくといいなと思います。
数学は好きだけど難しいです。練習しないと身につかないもの。
- Calculus や Linear とはだいぶ雰囲気が違うのでびっくりしました。
- 数学の基礎となる言葉や論理を学んでいきたいです。
- 数学はそれ自体で楽しいものです。時間をつかって問いたり考えたり。しかし、時に数学の実用性にうたがいをもち、もっと役に立ちそうなことをやるべきではと思います。
- 高校の時、集合は曖昧のままに終ってしまったので、この授業を通して、しっかり理解できるようになりたいです。
- 今日の宿題を簡単に求める方法はないだろうか? 2を求めるだけでも1時間以上かっかってしまった。
- 単位。よい成績。
- 期待すること:公理的集合論を扱ってほしい。要望:Quiz と Problem には難しい問題(自分にとって)を含めていただきたい。数学とは:専攻です。
- 数学の基礎をしっかりおさえること。数学とは未知な世界。今回のクイズ、大変でした。
- 数学を楽しめたらいいと思う。
数学とは頭の体操。また1学期、よろしくお願いします。
学生へのメッセージ
- メッセージありがとう。微分積分や、線形代数と大分ちがう始まり方で、とまどった人もいるのではないかと思います。授業1時間で、この小テストですから、ちょっと難しかったかも知れませんね。でも、時間をかけて考えたこと、それ自体がとても価値のあることです。結局、正解に至らなくても。すぐ役に立たないと、切り捨てられてしまうことが多いですが、人間の営みはそんな単純な価値判断によっているのではないと思います。戦争の時、生きるか死ぬかのとき、食べていくことそれ自体が難しい時は、たしかに、その時をどう乗り切るかで、役に立つこと、効率的なことが要求されるかも知れません。それも人の営みの一部であることを否定しませんが、もしそれだけが価値ある人間の営みとするのであれば、ほとんどの学問や、芸術、スポーツ、文化は、育たなかったでしょう。人間の人間たることは、役に立たないことに夢中になることではないでしょうか。ちょっといいすぎかな。みなさんが夢中になることはどんなことですか。コンピュータや、携帯が発達して、すぐ答を得られないと何か不安になったりする人もいるかと思いますが、6時間考えたけれど、けっきょく分からなかったという世界に価値を見い出すのもいいのではないかとわたしは思っています。すぐ価値は見えないかも知れません。だからといってそれが無価値なものではありません。見えない価値だからこそ重要なのかもしれません。数学も計算ができるようになったりするのは、すぐ目に見えますし、試験でもはかり易いですから、学校教育でもそちらに重きがいってしまいます。しかし、論理訓練(もちろん、計算は現れますが)をしながら、数学の美しさに触れていくのがこの授業の大切な部分です。一緒に楽しみましょう。自分の知らない世界に触れることができる、これこそリベラル・アーツの真髄だと思います。一生「役に立つ」ことです。
QUIZ2 : 日常生活において、論理的とはどういうことでしょうか。どういう場合に論理的なことが大切でしょうか。
- 論理的とは、つじつまがあっていること。人を説得させたりするときに有効な手段ではあるが、論理的であるということだけでは不十分であると思う。世の中は矛盾だらけだと思うから。「論理的=正しいこと」 とはならないと思う。
- 論理的とは:言葉の運用に関する共通の約束事の確立。
どういう場合:金とか権利が絡む契約の時。
- 自分は日常生活においては、例え数学のような厳密な証明が可能な論理でなくとも、議論を交わす相手が筋が通っていると認める場合、それは論理的であると考える。例えば「人を殺してはいけない」という命題に対し、数学の論理を用いて真・偽を説くことはできないが、相手が「その通りだ」と認められる限り、その議論は、論理的であると解釈する。人が人をして自分の意志に従わせる際、力によらない方法において、論理的なことは、大切なことだと思う。
- 言語を数学に乗せて研究できるようにがんばりたいです。
- 人と話し合う時は、論理的な方がいいのかもしれない。でも論理だけでは日常を乗り切りにくいと思う。
- 経験則で物事を予測する時。
- 「日常生活において」だと数学的な論理とはだいぶ異なると思うけれど、論理的とはまあきちんと理由づけをする、とか、感情的にならないってことでしょうか。「何となくこうだ」っていうのではないこと。良識ある人との会話で相手を説得したい時に大切だと思います。納得して欲しいときとか、言い負かしたいとき(笑)
- 日常で論理的と言うのは、2つの事物の関係は妥当的だというときだと思います。だから、論理をつなげてゆくと、妥当性がうすれる。(こともある)
論理はすべての場合で必要! 例え、夢が「すばらしい法則をみつける」であっても、自分の中においては妥当性は高い。(他人には低く見えても)日常で、論理的だとか、そうでないとかと、他人と話すと、大変なことになるから、数学の論理は好きです。小テストの後で、頭がごちゃごちゃで、よくわからない(論理的ではい)ことかいてごめんなさい。
- 論理的とはきちんと順序立てて、細部から考えていくことだと思います。議論などの際、自分の意見を順序立てて論理的に説明することができたら、相手を納得させることができると思います。
- ある範囲の中で度をすきずに、感情や他の要素にとらわれずに物事を万物のルールにそって考えるということ。第三者が、ある事柄を判断する時に、一番大事なのが、論理的思考だと思う。
- 明解であること。反論ができないこと。
- 日常生活において、論理的というのは、一番確からしいことから出発して、ある事柄も十分信用できるというのを証明することだと思います。
- 論理的とは常に自分に関係があります。入っている部活は debating society。いかに論理的でかつ分かりやすく、みなが支持しやすいかが key となります。分かりやすい論理展開です。また、専攻しそうなものが、数や物なのでなにかしらの Idea があれば論理的であるかは key となります。
- 社会の構造を独断ではなく、話し合いで決めていく時。
- 日常生活において、論理的とは「純粋な命題が存在せず、真理値が常識によって決定され、F→T と F→F の命題の真理値が定義されていないような論理体系に従うこと」かなぁ。バカなふりをするときと、人をだます時以外は論理的なことが大切です。
- 人間は動物界の中でも、特に色々な感情をもっている。しかし、場合によっては、冷静に物事を考える時に、論理的な思考が大切になってくると思います。
- 論理的とは:行動や、物事の存在の理由を明確にする、ということ。時に逃げ道と化す。
どういう場合:間違った選択をしたくないとき。
- 料理には、数学の論理的思考がたくさん含まれていると思う。例えば(しょうゆ→お酒→砂糖というじゅんばんでナベに調味料をいれるのと、お酒→砂糖→しょうゆといれるのでは、できあがりが変わることはよくある。変わらないこともある。砂糖→お酒だと、こげても、お酒→砂糖ならこげない etc. ゆえに、料理を極めている人は、かなり数学的思考を台所でしているのだと私は思う。料理は Art?! と思うかも知れないが、実はかなり Logical よりなんだとわたしは思います。…ん、うまく伝わりましたでしょうか。私にとって論理的とはこのような事であると思います。
学生へのメッセージ
- メッセージありがとう。他の箇所にも似たテーマがありますから、見てみて下さい。
QUIZ3 : 数学における論理思考を日常における種々の問題の考察、議論に適用する時にもっとも注意すべきことは何でしょうか。そのほか、何でもどうぞ。
- さじにわずらわされず、本質を見ること。省エネが大事。
- 数学は演繹的であるのに対して、日常は、確率的・帰納的。例えば、「忘れものをした人は手を挙げて」といわれた時に、「忘れ物をしていなくても手を挙げることは許される」と考えるのが数学。「忘れ物をしていない人は、手を挙げない」とするのが、日常の推論。
- 定義、domain, codomain, range などが日常における種々の問題できちんと定めれるかをよく吟味する。数学における論理思考とは、極論すれば、あらゆることを集合の言葉に直して議論することだと思うが(写像も集合だと)、現実の色々な物事をもれなく集合で表し切るのはほぼ不可能と考えられる。例えば「私」の限界すら定かではない。空気中から取り込まれた酸素はいつ「私」の一部と化し、「私」から排出される二酸化炭素は、いつ「私」の一部ではなくなるのだろうか。
日常においては、数学的論理思考はなるべく懐に留めておいて、いざというときに、その限界を常に反省しながら使うのが良いと思う。
- 日常の問題というのは、数学の論理のように A か not A かの二通りしかない状況に分けられることは稀であると思う。A でないからといって not A であるとは限らない。白黒付けたがる人もいるが、多少のあいまいさが残されている方が、議論が円満にすすむこともある。例えば、性善説、性悪説を考えてみると、性善か、性悪か、議論することはそれなりに意味があるとは思うが、性善でないから性悪かといえばそうではないだろうし、そもそも善と悪は相対的価値観であって、今のところ絶対的な尺度は存在しないのだから、何をもって善とするか悪とするかに注意する必要もあるだろう。人と話す時に、0か100かの議論は自分はしないようにしている。
- 例外を認めることかなぁ。日常は、数学の論理よりももっと複雑だと思うので。
- 今回の難しいです。あんまし時間なくて勉強してないし…。ゴールデンウィーク中に少しはまともにできるようにしてきます…。
- 気をつけること。「複雑系」の本より。経済に数学を適応させようとして、個々人を単純化しすぎたみたいです。だから、理論が実際の経済にはあてはまらないようです。実際は個々人は、そんんな単純ではないですね。だから、気をつけるのは、数学は、そこまで強力ではない、ということを知ることだと思います。いや、数学は強力でも使いこなすことができないのかな?
- ごめんなさい。全くわかりませんでした。連休中に修行して出直してきます。
- 反例がないか、その論理は常に成り立つかの考察が必要。
- 前提条件が完璧でないため論理が正しいように思えるが、実際正しくないことに注意。前提を正しく定義することが必要。
「ICU生は全員が変わりものだ」(正しいといえない)→「ICU生Aは変人で」真か?
- 日常では数学における論理が必ずしも通用するとは限らないこと。例えば数学では、1+1=2 だが、現実では、カレー+ご飯=カレーライスで 1+1=1となることなど。
- 数学における論理思考を日常における種々の問題の考察、議論に適用しないように注意すべきでしょう。
- 数学における論理思考がはたして日常でも通用するものかどうか?日常で使う時、気をつける必要があると思います。
学生へのメッセージ
- なかなか名文が多いですね。わたしなど、日常的にも、いつも数学でものごとを考え、決断しているので、みなさんのメッセージとても勉強になります。前回、お料理のことを書いてくれた人がいますが、いつもあの気分かな。それが楽しいからもありますが、そのようにしか考えられないのかも知れません。しかし、同時に、自分の考えが数学的に、本当に未熟だとも思っているのですよ。もっと、自分の数学を磨かないと、日常生活もおかしなことばかりと。すこしずつ、みなさんといろいろなことを話せるといいですが。
QUIZ4 : 中学・高等学校などで、数学がきらいまたはとても苦手だと思っている生徒が多いようですが、原因は何でしょうか。改善方法はありますか。
- 教える側が楽しい話しを知らないこと。実際、中・高校の授業はつまらなかったけど予備校の授業は楽しかった。
- 私も高1まで数学が一番嫌いな科目でした(笑)。中学の時には、たとえば乗法公式を使えるように何度も計算しては間違えるだとかをしているうちに、こんな練習に何の意味があるんだろうと思ってたまらなく嫌になりました。確かに乗法公式が使えるだとか連立方程式がきちんと解けるということは大切だけれど、あまり数学の本質に触っていない部分にずっと時間を割かなければいけなかった。しかも何に使うのかも知らずにずっと単調な練習ばかり…。嫌にもなります。中学の先生には、もっと数学のおもしろさと言うか、(具体的に数学のおもしろいことを理解するには当時はまだまだ経験不足だったかも知れないけど)これを使えばあとでこんなことがわかるとか、高校の数学では、こんなおもしろいことをするとか、生活の中で数学がこんなところに使われていつとかそういうことをもっと教えてもらいたかった。当時の自分は数学が物理や化学で使われていることすら全く知らず、「数学」と「理科」は全然別のものだと思っていました。ちなみに「理科」も大嫌いでした。
あと、中学の数学で嫌いだったのは、図形の証明問題!! 今も塾の個別指導で(普段は小学生を教えていて)たまに中学生の問題を見ることがあるのですが、「これを証明したいということは、この定理を使うことが必要だろうな」と考えて解けることもあるのですが、分からなくて解答を見てみると「?!…何だ、この補助線は…こんなことどうして思いつくんだ??」というような問題がたしか結構あって、すごく嫌だった記憶があります。ひらめきって大事なんでしょうね? 高一のときに、そんなこんなですっかり数学が嫌になっていたけれど数学の本質に触れるようなことを教えてくれる先生にたくさん出逢って数学嫌いが直りました。もっと知りたいと思うようになりました。まさか、大学に入ってからも自分が数学をやっているなんて中学の時には思いもよらなかった…。人生何が起こるかわかりません。
自分のことばかりになってしまったけれど、数学が嫌いな人は、まわりにたくさんいるけれど、ほとんどが数学のおもしろいところを知らずにあきらめてしまった人たち。数学がただの計算ばかりの辛いイメージになっている人もいる。おもしろいところを知らないんだから嫌いになって当然だけれど、すごくもったいないと思う。だから、数学を知っている人が、中高時代に数学はおもしろいこともあるってことをもっと教えてあげればいいと思う。
- 関係があるか分かりませんが、今日卒論を作成する際に、"log" を使いました。(情報量を算出する関係で)。高校時代は、何のために "log" なるものがあるのか、また何故それ("log" という操作)が許されるのか、が全く分からず、腹立しい思いもしました。しかし、情報量を算出する手段として学ぶ中では、その意味などを(おそらく)正しく理解することができました。数学の強みとして "抽象性(応用・適用範囲が広い)" ということがあるので仕方がないことかもしれないのですが、もう少し、現実場面(単に具体的に説明することではなく、”他の分野との関わりの中で”ということ)に沿った説明ができればいいのでは?とも思います。
- 数学が毎日あるといいかな? だめか。解けなくてもいいけど、解けない上に思考を停止しちゃうとつまらないと思う。だから、解けるように毎日みんなで数学をすこしずつ。
- 教科書検定のせいで教科書が洗練されすぎている。洋書や志賀浩二さん、松坂和夫さんの本のようにくどいくらい説明してくれるものを採用すべき。行間を読む訓練を積むのは高校高学年以降でよいと思う。
- 自分は一つの理由は練習不足にあると思う。子供たちのなかで、数学ができない子には、分数の四則演算や2桁3桁の割算などですでにつまずいている子が目立つ。例えばかけ算が定着していなければ、分数の通分や約分を理解するペースは落ちる。分数の約分、通分ができなければ一次方程式は解けない。このように、土台があやふやなまま新しい単元へと進んでいくから、授業がすすめば進むほど、理解と授業ないように開きが生じ、結果としていやになってしまうのではないだろうか。今の小学生がどれほどのドリル練習をしているかわからないが、中学生は明らかに計算練習が不足していると思う。
ただ数学の教育法を研究している人の中には、計算は電卓にまかせて理論さえみにつけばいいのだと言う人もいるので、何が正しいとは言えないが、少なくとも自分の意見では、子供が小さい時から計算練習をたくさん積むべきだと思う。
もう一つの理由は教師だろう。教え方ももちろんだが、今の学校教育は理系文系の分岐が早く、またそこにおいて、「数学ができないから」文系へというメカニズムが働いてしまう子は多い。教師も「いやならやらなくていい」というしてしまう。将来を踏まえて自分の夢につき進むためには、苦手でもかじりついて頑張る、という選択肢を与えて挙げられる環境が今の学校にあるのかどうか。それも数学がきらい、苦手という子がいる一因ではないだろうか。なぜなら、数学を学んだ先に何があるのかが見えていなければやる気もおきないと思うからだ。
- チャート式とかいうのが嫌いでした。あれと同じ問題がテストにでればやった人はできるのはあたりまえです。やる人は覚えれば楽です。中学までは考えるのが多かったので楽しいでした。浪人中はテクニックもありましたが、本質を伝えてくれる先生が多く、おかげで、今、数学、論理学がおもしろいです。
余談:あと、先生になるのに、最速で22歳からってのは、若過ぎると思います。そして少しこわいです。浪人の友達と、笑い話しで、「やっぱ先生は、浪人しないとだめだな、せめて2浪以上やってからだ」てのがありました。(すうずうしい)でも、22歳からの先生でも数学のおもしろさ(言葉では伝えられない)を知っていれば、数学をいやがる生ともへるでしょう。数学のおもしろさを学ぶためには、大学でしっかり勉強しなければならないでしょう。そのためには、生徒が先生を刺激しないといけないでしょう。そのためには、今から僕も頑張らないといけない。この論理がTかはわかりません。
- 中間・期末のテストは限られた時間しか与えられないため、なかなか点数がとれないのに、その点数がそのまま成績に反映されてしまい、数学を苦手科目だと考えてしまうからだと思います。その苦手意識が嫌いにつながってしまうことがあります。最終的な答えにいきつけなくても、その生徒がどれだけその問題を考え悩んだかも成績の一部にできたらいいと思います。
- まず、原因は二つあります。小学校の時算数が嫌いで、数学も嫌いになった人。そして数学はすきだったけど、理論についていけず数学が嫌いになった人。改善方法としては、それぞれの原因(理由)をつきとめてそれぞれの生徒にあった対処をすべきだと思う。
- 集団で授業をうけているので、理解が十分でないうちに、先に進まれてしまう。そうするとますますわからなくなってしまう。一様に進めるのではなく、それぞれがわかったら先に進めるようにすれば解決できる。
- 原因の一つは数学が教えられていることです。良い悪いは別にして、学校で数学が教えられなければ、きらいまたはとても苦手だと思う生徒はいなくなるはず。
学生へのメッセージ
- みなすごいメッセージですね。教え方のまずさが、わたしにも関わってくるので、耳がいたいものもありました。数学に限らないのだと思いますが、特に理解の速さが問題になってしまいますね。本当はゆっくりで悪いことはないのですが。集団だから難しいのでしょうか。でもいろいろと改善はありそうです。時間のある時に、私の考えもかきたいな。今日はここまでですが。
- 現実の社会にどのように応用されているかを例を通して示すことは、やはりとても大事だと最近痛感しています。動機がなければ勉強できませんから。大切だ大切だといいっても、無理でしょう。抽象化は大切な数学のステップですが、そこに至るには、何百年もの年月がかかっているわけですし。ただ、数学の研究者は応用例を具体的には殆んど知らないのです。数学を教えるものとしては、謙虚に勉強しないといけませんね。みなさんも教えて下さい。わたしもしっかり勉強したいと思います。
QUIZ5 : 理学科生以外に対する ICU における数学(または自然科学)はどのような内容をどの程度提供し、どの程度課すのが良いでしょうか。現在は必修は自然科学系一般教育科目として最低6単位。
- このクラスの最初の方に行なった論理学のような内容を課すのがよいと思う。6単位は少し多い。4単位くらいがいいと思う。
- 数学の世界や、数学の方法で何をやっているのか良くわかりませんが、BCMM のようなことをやると良いのではないでしょうか(笑)大変だけど。六単位は少ないような、多いような、丁度良いような。
- 「制限時間を2〜3倍にしたセンター試験の数学 IA, IIB」および「大学入試センターが数学 III C なる科目の試験を作ったらその試験についても制限時間を十分とったもの」の双方で満点がとれるようになる授業。
- 自分は基本的には大学生になったら興味があること以外は必修じゃなくてもいいような気がしています。ただ、この大学はどの学科の科目であれとりたければすべての学生が履修することが可能なので、その点はすばらしいと思っています。理学科生以外を対象とした数学の内容に関しては身近な現象にひそむ数学(そのようなものは具体的にうかびませんが)を提供すれば興味がわくような気がします。
- 数学と物理をいっしょに教えれば良いと思います。文系の人は数学をやって何になるの?とききます。例えば、y = x2 のグラフを描いても意味がないいいます。僕は「ただ」楽しいのでやってました。でも物理といっしょにすると、意味が「より」わかって「より」楽しくなりました。授業では一学期で y=ax2 の意味や、y=A sin ωt の意味をできる限り詳しくやれば、数学のすごさがわかってくれると思います。ほとんど機械的に答がでる人ですからね。最後には「式、化学式を「覚える」のがめんどうだ」と言う人が「式、化学式を覚えなくて楽だ」と言ってくれたら言いと思います。ちなみに僕が好きな理由は、m(d2 x(t)/dt2) = F 一つの式から微積などを使い、Top からながれるように (top down) 解けるのが好きです。最近は、物理よりも、数学の厳密さが好きになりました。数学を中心とした物理をやることが夢です。(数理物理という言葉ってありましたよね。)
- 数学が他の分野の学問でどのように応用され使われているかを知りたいです。
- 理学科生以外でも経験の差があるので、色々なレベルのクラスを用意しても良いのではないかと思います。しかし、あまり最低単位数を増やすと、興味が面倒くさいという気持ちになるおそれがあるので、6が妥当だと思う。
学生へのメッセージ
- 今回はすこし難しかったかな。メッセージも少なめでした。でもいろいろと参考になりました。どうもありがとう。
QUIZ6 : ICU を選んだ理由は何ですか。ICU 理学科をより魅力的にするにはどうしたら良いでしょうか。
- 数A B III C が必要なかったので。
- 自分は数学の教師になるべくして、数学を学べ、かつそれ以外に得るもののある大学としてICUに来ました。学生の志すものが何かによってどう魅力的であるかというものは異なるのではないかと思われます。少なくとも自分にとっては、英語を意識しつつ自分の専門が学べるこの大学の理学科は十分魅力的です。
- NSを華やかなイメージにすることです!
- ICUを選んだ理由:1 また浪人、2 理科大、3 国立後期にかける、4 ICU の四つの選択がありました。3は前期おちて、さらに1カ月勉強する気力がわかなかったので(ICUと理科大は受かってた)しかも1との兼ね合いで浪人はあり得なかったので、消去。2は、少しメジャーで、どちらかと言えば minority の僕は不向き、消去。4は珍しいし、何か風変わりなので「ヤケ」で行こうと決めました。よってICUに来ました。(でも大学にこれたことは嬉しかったし、今はこっちの方が良かったと思います。)
ICUNS を良くするには…、いやー、いろいろ考えましたが、僕の考えることはすべてありますね。小さいことですが、
- N館を10時まで開けてくれたら嬉しいです。
- Book store に NS の本がおいてないのが悲しいです。
- 他大学からいろんな先生が来るのは刺激を受けて楽しいです。
- 英語をしっかり学びたかったから。
- 国際らしいから。
- 国際性があるから。色々な考えを学べるから。より魅力的になるためには、もっと英語で授業をしてはどうですか?
学生へのメッセージ
- メッセージありがとう。いろいろな動機がありますね。あまり ICU らしさと言わない方が言いのかも知れません。正直、私は、これからのICUの歩む道がどんな道が言いのか、迷っています。難しいですね。またいろいろと教えて下さい。
QUIZ7 : 最近感激または感動したこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、怒っていること。
- 雑事が多くて数学にあまり時間を割けないことが悲しい。
- 先週の土曜に塾の生徒の運動会に行ってきました。ムカデ競争で必死で頑張っている姿がとても感動的でした。
- 人を感動させるのはいつだって人か自然な気がします。最近悲しかったことは、かってに友達に嫌われたと思いこんだとき(笑)。
- 感動:あした(5日)に渋谷でラムズ内でつくっている僕が歌を歌うバンドのライブがあって、感動する予定。みんなで練習してきた。
うれしいこと:ラムズ、バイト内の仕事で気の気いた「ほめことば」「ありがとう」をいわれること。手伝ってくれた人にお礼を言って、「いえいえ」といわれること、もしくは、そんな関係。
悲しいこと:まわりの人の一部が、テンパると、やたらと責めてくること。後であやまることが多いですが、そのギャップがちょっと残念。僕も注意しないと。あと「テンパる」の適当な「訳」が思い浮かばないこと。
怒!!:いつも自分の中で怒ったり、思いだし怒りをしたり。
→:「大学での人間関係は勉強になる」という「教え」を身を持って実感しています。
- 怒っていること:年金法案の強行採決。
- 感激:映画を6月に5本以上見れること。
悲しい:レポートがやたらと多い。
- 最近ニュースなどを見ると、少年への犯罪、少年による犯罪が多発しています。かわいそうです。本当、こうやって普通に暮らしているのが、どんだけ幸せか、わかったような気がします。
学生へのメッセージ
- みなさんからの大切なメッセージありがとう。わたしも、たくさん、感激することや、怒ることなど最近ありました。つかれ果ててしまい、特に、先週の金曜日の授業はめためたでした。悲しかったし、本当に申し訳ないと思っています。どうにかしないと。
QUIZ8:21世紀における科学の使命は何でしょうか。その他何でもどうぞ。
- 環境の悪化のスピードを遅める。
- Purdue 大学の数学者がリーマン予想を解いたと発表したそうです。(6月8日付)
- 人間や人の生活の進歩にばかり重点を置くのではなく、地球上の他の生物や環境とどう共存していくか考えていく必要があると思います。
- 利便性の追求!
- 人間と自然との共存を導くこと。
- 名誉と金のためではなく、人間の幸せと世界の発展のために、日々研究するというのが使命だと思います。最近ノーベルの目的が従来より変わってきたことが残念です。金がからんできてるような気がします。
学生へのメッセージ
- むずかしいですね。自然との共存や、他の生物や環境との共存は、多くの人たちが思っているのではないかと思いますが、これをまず定義するのが難しい。自然といっても結局人間が住みやすい環境。人間に最大の価値観をおくところからは逃れられないでしょう。他の一つの動物に焦点をあてて、その動物に一番良い環境を考えた時、それは、とてもむずかしいし、その動物がどう思うかは、まったく別だし。ばからしいはなしですが、イースト菌の幸せを考えてパンを焼くことはできないでしょう。人間に限ってみるとどうでしょうか。人は本当にたとえその人の価値観に限ったとしても、そのひとが幸せだと考えるように生きることができるのでしょうか。これ自体難しい問題です。幸せだと思うこと、大切だと思うことを大切に、一番に求めて生きることも難しいのです。みなさんは、大切なことを大切にしながら、一日、一日を送っていますか。
QUIZ9:何でもどうぞ。
- 恒常的に問題を意識させるQuizはとても良いと思います。
- また一学期間ありがとうございました。きっと選択公理もわかっていないし、あやふやなところが実はいっぱいあるのですが、おもしろかったです。Quiz いつも難しかった。
- 今学期は他に Cal III と Linear III をとりました。どの分野でも命題の証明マニアになりました。命題よりもその方法が好きなのでもっとマニアになって、物理に生かしたいです。目的は根本を知ることなので、数学にいくかもしれないですねぇ。
- 大学に入る前に使っていた数学の大前提を証明するのがとても難しかったです。鈴木先生の人柄がなかなかおもしろかったです。
- 数学には芸術に通じる奥深さがあるので、やってて飽きないしおもしろいです。
学生へのメッセージ
- メッセージありがとう。反省点がたくさんあります。でも、いっしょに数学を考えたこの授業、私はとても楽しめました。みんなはどうかな。数学の新しい面を経験できているといいのですが。
Final : (1) この授業について。特に改善点について。
(2) ICU の教育一般について。特に改善点について。
- (1) BCMMの授業について:苦しい春学期でした。楽しいと思っていた数学でしたが、危うく大嫌いになるところでした。やはり問題が解けないと面白くないですね。でもBCMMの講義だけならばずっと聴いていたいと思いました。納得行くほど理解は深まって
いませんが、とりあえずテキストはいっぱい読みました。時間もいっぱい割きました。
但し、費やした時間とその結果が往々にして比例しないのが数学のつらいところです。
しかしこのジレンマこそが数学の醍醐味!と思うことにしました。極論ですが、ICU
生皆がBCMMをやったほうがいいと思いました(テストなしでもいいから)。インクリ
と同等扱いぐらいでもいいと思いました。(笑)BCMMの勉強を無駄と思わないような
人間性を持つ人をICUは育成すべき!NSに染まってしまった発言だったかもしれませ
んが。(笑)
(2) ICUの授業について:NSに在籍しながらもGEやElectiveを自由に取れるようにもう
少し時間を配慮して欲しい。私の印象ですが、NSの場合は、GEやelectiveは取りたい
ものではなくて取れるものを取るしかない。NS以外の場合は、もう少し融通がきいて
いるようなきがする。もちろんNSは単位を取るのに時間をくってしまうのは皆知って
いますが、もう少しNSの授業全体を午前中に配分してほしいと思います。そのために
は、1限を90分などにし均一のとれた時間割を組むべきだと思います。super、long、
567、67などあまりに組み合わせが多すぎてconflictが逆に起きすぎていると思いま
す。加えて567は、生徒からすればはっきりいって集中力が持たないので、だらけ
て効率の悪い授業になってしまいます。superやlongも途中で、90分くらいをすぎる
とだらけてしまう傾向にあります。生徒と先生の集中力にもう少し注目をおいて授業
の時間割を考えて頂きたい。
個人的にはNSの授業を時々は本館でやってみたいです。講義だけでも。モグる生徒
も増えてNSのアピールにつながるかなぁとちょっと思いました。
(このメッセージはメールで送られてきたものです。下にそれに対する応答も書きます。)
- (1) 授業内容は非常によかったと思います。
(2) 自分は現在の教育環境には、今のところ不満はないです。
- 出直します。おつかれ様でした。
- (1) 講義と演習が分かれていない方がいい。
(2)毎回書いているが、GEの廃止。今まで受けてきた GE は「科学哲学」以外すべて興味を持てるものではなかった。GE の多くは浅く広くやろうとしているので、大体知識の詰め込みになっている。もう少し、範囲を狭くしたらと思う。Elective を H、SS、NS、その他から必ずとるようにすれば、GE の役割を果たせると思う。
- (1) 授業は講義はちゃんと出たけど、演習は出なかったです。すいません。講義はとてもおもしろかった。
(2) ジェネードをもうすこし改善してほしい。つまらない授業が多いと思います。
- 難しかった。
(1) Quiz に難しい問題があるとはとてもいいけれど、簡単な問題も出して、基本的なことを確認できるようにしてくれるととても嬉しいです。
- (1) 高校では学ばなかったことをたくさん学べてとても興味深い授業でした。
(2) 1・2年のうちに GE をうけて自分の興味分野を知りたいが、なかなか GE がとれなかったり、自分の興味のあるものがとれないので残念です。
- (1) 楽しかったですが、自分がいたらずでした。
(2) もう少し、各学科のファンデをへらしてほしい。
- (1) 出席点をつければ、僕はもっと出席したはず。
(2) おおきなクラスでも学生を指名して発言させると、緊張感がでて良いと思う。
- (1) あえて改善点といえば、もう少し例を用いることによって、理解が深まると思います。
(2) 全般的に、もう少し、勉強の範囲を狭くすることによって(特に専門)、理解が深まる授業ができると思います。
- (1) 僕がいうのも、何なのですが、演習の時間の必要性がいまいち低いのではないかと思います。
(2) 広く学べるが、どれもが中途半端になりがち、思考を養う授業が少ない。
ひどい結果ですみませんでした。
学生へのメッセージ
- メッセージどうもありがとう。期末試験のときは、特に私のテストはとてもつかれるからあまりエネルギーが残っていなかったかな。もうすこしメッセージ欲しかったですけれど。授業効果調査のほうのメッセージ期待しておきます。
- 演習についてのコメントがありました。あの時間を有効に使うのは難しいですね。書く時間がかなりかかりますし。たしかに、授業の1時間だけでなく、もう少し例で説明したいことはたくさんあります。宿題で提出してもらい、そのなかからいくつか当てるというのも良いですが、すこし大変すぎるかな。問題をあてるのに時間がかかってしまうのは、改善できますね。次回から、この点は考えます。ただ、すべて当ててしまうのは避けたいので、難しいですね。コメントあればメールでもお願いします。
- ICUの教育については、GE への意見がありました。正直言うとわたしも問題に思っています。たくさん問題があるので、良い面を損なうことなく、どのようにしていったら良いかこの夏よく考えて、一般教育委員会の委員長(教養学部副部長)に提案を書きたいと思っています。興味のあるかたは、話しましょう。夏の間も、研究室か、本部棟のFD事務室(A103)にいます。ご存知のように、現在 Director of Faculty Development (FD主任) という役職にあります。仕事が明確に規定されているわけではないのですが、ICU の教育改善に関する部分がとても大きな仕事の部分です。みなさんからいただいた意見は必ず何らかの方法で、責任を持っている部署と話し合います。希望通りに変わることを約束するわけではありませんが。みなさんからの意見を待っています。単にすこし話したいというのでもいいですよ。
- 個人的にたくさん反省点がありますが、それは、べつの箇所に、成績を出してから書きます。とても意欲的なクラスで非常に刺激になりました。ありがとう。
- (メールでのメッセージに対する応答)最後の本館のはおもしろいですね。授業だけでもモグってくれる学生がいるなら、喜んで本館に私はいきますよ。
最初の履修の融通性は3つ問題が指摘されている思います。NS の問題、コンフリクトの問題、時間の長さの問題。
NSの問題はなかなか世界的な問題で難しいです。他の学問に比べて積み上げていくものが多いこと、世界基準のようなものがはっきりしていて、大学で例えば数学、物理などを勉強した major したというときの最低基準が世界的にかなりはっきりしていること、それを放棄すれば別ですが。そうした背景から、一年生、二年生、三年生と必修に近い科目が多くなっています。ICUではさらに、理学科の中で幅広く履修することを大切にしているために、この困難が増しています。最後の部分は、ICUおよび理学科の方針ですから変えることは可能です。教養学部としてのまとまりを重要視し、理学科としてのまとまりはその次とするという考えです。しかし、この考えには否定的な理学科の先生方が多いと思います。わたしは絶対視はしていませんが、学科ごとの枠で学生選抜をしている以上これでいいかなと私も思っています。入学の時、学科をきめないと言うようになれば、自然とそうなるでしょう。どちらが良いかは難しいところです。たくさんの問題が絡んでいます。
時間割:学科の中だけでも調整が難しいじょうたいですから、簡単ではありません。しかし、学科のなかではかなり丁寧に調整をしています。大学全体としては、たしかに、567, super, special などが問題だとわたしも思います。皆に納得してもらえる論理的根拠と統計データが必要です。これらによってコンフリクトが多くなると言うことを丁寧に説明しなければいけません。このようなデータを集めたらなど具体的な提案があれば教えて下さい。やってみます。super はわたしは反対でしたが、567解消として認められてしまいました。あと一時限目を使うのは、重要ですが、うまく機能するかは、難しいところです。私は三年生の授業で一時限目を教えていますが、どうしても出席率が下がってしまいます。一年生のELPなどで一時限目があったりなかったりするもの turorial, PWT などがあり、毎日8時50分に大学にくるという習慣が最初から崩れてしまうのも問題かも知れません。次の項で。
授業の長さ:これは、教員の皆さんに是非理解してもらわないといけません。私も授業は90分(ほとんどの日本の大学)や105分(Super時限)が話しやすいですが、自分が授業を聞く時は、50分か60分までしか集中力が続きません。一日1つの講演を聞くなら、興味のあるものは2時間程度集中力は続きますが、毎日、それも、朝から夜までたくさんある日程のなかで、長い時間の集中は一般的に無理だと思います。講義をする側の論理と聞く側がnegotiate して70分というのは良いと思うのですが、日本の他の大学では、90分がほとんどですから、むずかしい。それと、教員は研究がしたくて教員になった方が多く、なるべく少ない日数で授業をして、あとは研究にあてたいと思っておられるかたが多いことも事実です。この改善は、教員の責任だと思っています。もちろん、Discussion や Presentation などで70分で運営するのが必ずしも適切でない場合、非常勤の先生に週に何回も来ていただくことはできないなどの別の理由もあります。
BCMM は数学の専門の最初のコースです。一部似たものをGEに入れていますが、やはり、厳密な論理展開は数学の命ですから、「わかる」だけでなく、「できる」ようになる訓練の部分が重要です。この部分は辛いですね。わたしもなかなかできるようにならず、わからないわからないで大学院までいってしまいました。でもそれぞれの段階で、少しずつ論理を追えるようになり、さらに深いものを「わかる」ようになっていくのが数学の本当におもしろい部分です。その基礎訓練が大学で数学を学ぶ一番大切な部分。実は、数学を一生しなくても、この訓練だけは一生の宝だとわたしは思っています。非常に特殊な設定かも知れませんが、考える訓練をしっかりするのが数学です。「わかる」興味をひく話しとともに、「できる」ようになる訓練を丁寧に大切にしていきたいと思っています。なかなか苦しいことは事実ですが。