Last Update: November 23, 2017
ALGEBRA II 代数学II
この授業について, About This Course :
受講者の皆さんへのひとこと, A Meesge from Instructor
Textbook (2015-)
Joseph A. Gallian, "Contemporary Abstract Algebra", Eighth Edition
Many exercises are added to Seventh Edition. Some changes are made but not clear which parts are revised.
Textbook (2010-2014)
Joseph A. Gallian, "Contemporary Abstract Algebra", Seventh Edition
Quote from Preface (xi)
Alhough I write the first edition of this book more than twenty years ago, my goals for it remain the same. I want students to receive a solid introduction to the traditional topics. I want readers to come away with the view that abstract algebra is a contemporary subject - that its concepts and methodologies are beging used by working mathematicians, computer scientists, physicists, and chemists. I want students to enjoy reading the book. To this end, I have included lines from popular songs, poems, quotations, biographies, historical notes, dozens of photographs, hundreds of figures, numberous tables and charts, and reproductions of stams and currency that honor mathematicians. I want students to be able to do computations and to write proofs. Accordingly, I have included an abuncance of exercises to develop both skills.
Link to Google Books
Author's Home Page and Support Page
Textbook (2005, 2006, 2008)
Derek J.S. Robinson, "An Introduction to Abstract Algebra"
This is the same textbook used for Algebra I. Quote from the back cover:
This is a high level introduction to abstract algebra which is aimed at readers whose interests lie in mathematics and in the information and physical sciences. In addition to introducing the main concepts of modern algebra, the book contains numerous applications, which are utility and relevance of algebra today.
The importance of proof is stressed and rigorous proofs of almost all results are given. But care has been taken to lead the reader through the proofs by gentle stages. There are nearly 400 problems, of varying degrees of difficulty, to test the reader's skill and progress.
The book should be suitable for students in the third or fourth year of study at a North American university or in the second or third year at a university in Europe.
教科書・参考書
永尾汎 「代数学」 朝倉書店
非常に、よく使われている教科書ですが、自習用としては、難しいと思います。予習復習をしながら理解していって下さい。ALGEBRA I III (代数学 I、III)でも使います。授業で全てをカバーするわけではありませんが、これ一冊理解すれば、大学院入試、米国大学院の Comprehensive Examination にも大体十分と思います。
参考書
(Algebra (代数学:群、環、体、加群、代数)の教科書)
- Serge Lang "Undergraduate Algebra" second edition, Springer-Verlag
広く使われている教科書。Lang は、教科書を書くのがとても上手だと評判です。
- Serge Lang "Algebra" third edition, Addison-Wesley
大学院レベルの教科書。勉強するのは、このほんの一部分ですが、レベルとしては、十分読むことができると思います。私(鈴木)は、大学2年生から、4年生まで、自主ゼミで、仲間と、この本をずっと勉強しました。
- 服部昭 「現代代数学」、「現代代数学演習」 朝倉書店
永尾先生の教科書がでるまでは、良く使われていた教科書です。少し、難しいですが、「演習」も良く書かれています。
- van der Waerden "Modern Algebra", Springer
(銀林訳 「現代代数学」、「演習現代代数学」 東京書籍)
古典的名著です。演習書も充実しています。
- 成田正雄 「初等代数学」 共立出版
簡明に、かつ、具体的な例も豊富に書かれている素晴らしい本です。成田先生は、国際基督教大学で長年教えておられた先生です。惜しむらくは絶版なこと。しかし、図書館には2冊入っているようです。
- M. F. Atiyah and I. G. Macdonald "Introduction to Commutative Algebra", Addison-Wesley
環論は大きく分けると、可換環論と、非可換環論に分けられます。可換環論は、整数論や、代数幾何学につながり、その基本的な例は、有理整数環 Z や、体の元を係数とする多項式環 K[x1,...xn] です。この本は、その方面に進むための準備を与える基本的な教科書です。一方、非可換環の基本的な例は全行列環です。非可換環論は、半単純環の理論等を経由して、表現論といわれる分野とつながっています。その入口を与えるものとして、次の本をあげておきます。
- C. W. Curtis and I. Reiner "Representation theory of finite groups and associative algebras", Wiley−Interscience Publication
できるだけこの欄を充実させていく予定です。図書館にあるこの授業に対応する参考書を、少しずつ紹介していけたらと思っています。
反省点
2010年度
- 今年度から Gallian の教科書の変え、週3コマになって2学期目、新しい課程の学生達の一年目である。
- 基本的に学生が熱心に取り組んでくれたために、非常に順調だった。演習もかならずほとんど全員が一問ずつ解いてくれた。
- 春の代数学Iと大きく変えたのは宿題を減らしたこと。それでも、全部で11回の宿題で55問解いたことになるので、かなりの数である。演習では、私が説明すべき問題を最初に聞いて、それを後ろの黒板に書き説明を加えたが、学生が解いた問題の解説に時間をかけたため、私が書いた部分は、書き方もコンサイスすぎ、説明も殆どできないというじょうきょうで、学生達は、クラスにのこり、1時間近く、黒板を写しながら、理解するのも大変だったようだ。
- 何回か、リクエストに応え、解答を TeX で打ったものを、メールで受講生に送った。内容自体が難しいのだから、理解に時間がかかるのは当然でもある。
- 今年度は、冬学期に上野謙爾先生にガロア理論を教えて頂くため、体にはあまり深入りしないこと、しかし、環論を体に使う部分には、時間をかけ、リンクがスムーズにいくようにした。やはりこの部分が難しかったようだ。ということは、いつもは、代数学III で扱っていた、最初の部分がとても難しいことになる。じっくり時間をかけた今回は良かったともう。今後も参考にしたい。
2013年度
- Gallian の教科書はよく錬られている。むろん、完璧ではないところもある。特に、UFD の説明が、Z[t] の部分と二回にわけており、かつ整理も十分できていないところ。
Zn[i] の定義など。しかし、問題構成などは、よくできていると思う。おそらく、Herstein の Topics in Algebra の影響が大きいのだろう。いずれそちらもゆっくり読んでみたい。
- 学生は、2年生が二人もおり、Algebra I を履修していない、September Student が一人、聴講生も一人いた。みなが同じレベルで学ぶことは難しいが、演習の有効利用は重要であると思う。
- 冬学期への接続が少し難しい。Special Topics をどう扱うかも検討を要する。今後の課題であろう。
- 台風で二回休講になり、授業時間数が減ったのは、対応が難しかった。学生が多様であったため、一律の対応をする事が難しかったことも影響した。
2014年度
- 今年も、Gallian の教科書を利用した、ノートも少しずつ整備できてきたので、やりやすくなっている。講義は基本的に英語で行い、ビデオ撮影も行った。OCW として公開するかどうかはまだ決めていない。Moodle には、公開しているが、あまり見られているわけではない。
- 学生は、2年生が1人、3年生が6人だったが、1人は殆ど最初から、もう一人も途中から、出席しなくなり、試験も受けなかった。宿題も多く、このパースについて行くには、ある覚悟が必要なのだろう。今後どうしていくかは、考えたい。
- 冬学期への接続が少し難しい。今年は、上野謙爾先生が担当される。
- 今年も、台風で一回休講になり、授業時間数が減った。また、大学院の講義「Computing for Researchers」を担当したこともあり、時間の余裕が無かった。しかし、それは、退職まで続くことなのかも知れない。
- 今年までは、開講言語を J/E としていたが、大学の方針で英語の授業を増やすこともあり、来年度は、E/J で開講しようと思う。どのような改善が必要か、よく考えたい。
2015年度
- 今年から、Gallian の教科書も第8版になった。昨年度 Algebra I を履修し、Algebra II を今年履修した学生は、旧版を使うこととなった。Exercise が大幅に改定されているが、旧版の問題が残っているものがおおく、大きな問題には、ならなかった。
- コースの教授言語を E/J とした。昨年度までも、講義は英語でしていたので、殆ど変化はしていない。演習での説明に英語を増やした程度か。昨年度 OCW のための撮影を行ったので、今年は、ビデオ撮影は行わなかった。学修支援になにが適切かは難しい。
- 宿題は、提出した学生には、わたしが書いた解答をつけて返却した。基本的な問題の解答は十分あるようになってきたので、この形式は良いように思うが、どの程度利用されているかは不明である。解答は Moodle には載せていない。
- Gallian には、読み物や、文献の紹介もある。少し、紹介してみたが、このような取り組みは、日本の大学では十分されておらず、学生の研究というものも、教育の一部として定着してはいない。日本数学会の教育委員にもなったので、日本の大学の数学教育という視点からも、今後のことを、よく考えてみたい。
- 学生は、3年生が4人、4年生が2人だった。後半出席率が低くなった学生もいたが、期末試験までには、追いついて、ある程度のレベルに到達していた。どのような指導法がよいか、このレベルでは、学生の勉強方法もひとりひとり定まってきているので、なかなか難しい。
- 冬学期への接続が少し難しい。今年も、上野謙爾先生が担当される。
- おそらくあと担当は1回か2回、改善についてよく考えてみたい。講義録のOCWでの出版だろうか。ただ、これについては、Digital 教科書を検討しており、どこまでするかは不明。
2017年度
- 今年から、コースの教授言語を E とした。E/J などのカテゴリがなくなったこともあるが、最後は英語で開講をするのもよいと考えていた。E の方が、学生も覚悟ができており、演習も、英語で板書し、説明も英語でしようとするので、良いのかもしれない。受講生は二人のみ。講義も演習も英語で行ったが、必要に応じて、日本語も多少使用した。その程度でよいのかもしれない。
- 演習では、リクエストのある問題については、わたしが板書して、解説した。解答を板書するモデルを提供する意味でも重要であろう。
- 宿題は、提出した学生には、わたしが書いた解答をつけて返却した。基本的な問題の解答は十分あるようになってきたので、この形式は良いように思うが、どの程度利用されているかは不明である。解答は Moodle には載せていない。上記の板書と同様、書き方を示すことも大切である。
- Gallian には、読み物や、文献の紹介もある。今年も、少し、紹介してみたが、このような取り組みは、日本の大学では十分されておらず、学生の研究というものも、教育の一部として定着してはいない。日本数学会の教育委員にもなったので、日本の大学の数学教育という視点からも、今後のことを、よく考えてみたい。