Last Update : October 23, 1999

ALGEBRA II 代数学 II

1999年度中間テスト解答


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第一問解答

  1. U(R) = {1, 5, 7, 11, 13, 17} = <5> だから、U(R) は巡回群である。52 = 7, 53 = 17, 54 = 13, 55 = 11 である。

  2. 零因子全体を ZD(R) であらわすと、ZD(R) = {0, 2, 3, 4, 6, 8, 9, 10, 12, 14, 15, 16} である。2, 3 は ZD(R) に入るが、5 = 2+3 は ZD(R) に入らないので、イデアルではない。

  3. 直接計算しても求められるが、ここでは、3 (b) を用いる。I を素イデアルとする。f : ZZ/18Z = Z18 において、J = f-1(I) とすると、J = (n)(18) = 18Z を含む Z の素イデアルである。したがって、n は 18 を割る素数。よって、J = (2), (3) となる。それぞれにしたがって、I = {0,2,4,6,8,10,12,14,16}, {0,3,6,9,12,15} となる。素イデアルは、R とは異なるイデアルであることに注意。


第二問解答

  1. (i → iii) det(M) は零でないとすると、M は正則行列。ここで、 XM = O とすると M-1 を両辺に右からかけると、X = O を得る。従って、M は右零因子ではない。(ii → iii) も同様。

    (iii → i) M = (u,v) すなわち、第一列を u、第二列を v とする。det(M) = 0 とすると、u, v は一次従属だから、どちらかは零ではない a,bau + bv = 0 と書ける。そこで、第一行を (a,b)、第二行を (0,0) とする行列 X を考えると、XM = O である。X は零行列ではないから、これは、M が右零因子であることを示している。(iii → ii) も同様。

  2. E1,2E2,1 = E1,1 だから E2,1 を含むイデアル I は、{a E1,1 + b E2,1 | a, b は実数 } を含むことがわかる。E1,2E1,1 = E1,2E2,1 = E2,2E1,1 = E2,2E2,1 = O だから、I = {a E1,1 + b E2,1 | a, b は実数 } であることもわかる。

  3. J を両側イデアルとする。MJ の零でない元とし、その (i,j) 成分 M[i,j] が零でないとする。すると、 Es,iM Ej,t = M[i,j] Es,t だから、これより、Es,tJ に入ることがわかる。s,t は任意だから、R = J を得る。

  4. M を中心の元とする。Es,t M = M Es,t であることを用いると、M はスカラー行列となることがわかる。スカラー行列が中心の元であることは、明らかである。


第三問解答

  1. a, bJ の元とし、rR の元とすると、f(a), f(b) はイデアル I の元で、f(a+b) = f(a)+f(b) だから、f(a,b)I の元である。従って、a+bJ の元である。同様に、f(ra) = r f(a) だから、f(ra)I の元で、raJ の元であることが分かる。従って、JA のイデアルである。

  2. a, bA の元とし、abJ の元とする。すると、f(ab) = f(a)f(b) は、素イデアル I の元だから、f(a), f(b) のどちらかが、I の元となる。従って、a または、bJ の元となる。これは、J が、素イデアルであることを示している。

  3. f : A → B (a → a) を考える。このとき、f-1(I)IA の共通部分だから、この共通部分は、前問より素イデアルとなる。


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