(i → iii) det(M) は零でないとすると、M は正則行列。ここで、 XM = O とすると M-1 を両辺に右からかけると、X = O を得る。従って、M は右零因子ではない。(ii → iii) も同様。
(iii → i) M = (u,v) すなわち、第一列を u、第二列を v とする。det(M) = 0 とすると、u, v は一次従属だから、どちらかは零ではない a,b で au + bv = 0 と書ける。そこで、第一行を (a,b)、第二行を (0,0) とする行列 X を考えると、XM = O である。X は零行列ではないから、これは、M が右零因子であることを示している。(iii → ii) も同様。
E1,2E2,1 = E1,1 だから E2,1 を含むイデアル I は、{a E1,1 + b E2,1 | a, b は実数 } を含むことがわかる。E1,2E1,1 = E1,2E2,1 = E2,2E1,1 = E2,2E2,1 = O だから、I = {a E1,1 + b E2,1 | a, b は実数 } であることもわかる。
M を中心の元とする。Es,t M = M Es,t であることを用いると、M はスカラー行列となることがわかる。スカラー行列が中心の元であることは、明らかである。
第三問解答
a, b を J の元とし、r を R の元とすると、f(a), f(b) はイデアル I の元で、f(a+b) = f(a)+f(b) だから、f(a,b) も I の元である。従って、a+b は J の元である。同様に、f(ra) = r f(a) だから、f(ra) も I の元で、ra が J の元であることが分かる。従って、J は A のイデアルである。
a, b を A の元とし、ab を J の元とする。すると、f(ab) = f(a)f(b) は、素イデアル I の元だから、f(a), f(b) のどちらかが、I の元となる。従って、a または、b が J の元となる。これは、J が、素イデアルであることを示している。
f : A → B (a → a) を考える。このとき、f-1(I) は I と A の共通部分だから、この共通部分は、前問より素イデアルとなる。