Last Update: November 23, 2020, Revised: April 29, 2026

2020年読書記録


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  1. 「なんとめでたいご臨終」小笠原文雄著、小学館(ISBN978-4-09-396541ー5, 2017.6.26)
    日本在宅ホスピス協会会長で、1989年に岐阜市内に小笠原内科を開院し、以来、在宅看取りを1000人以上、独り暮らしの看取りを50人以上の経験をもち、癌の在宅看取り率95%を実践している著者が、在宅ホスピス緩和ケアについて事例を中心に語ったものである。「臨終」に焦点をあて、「希望死・満足死・納得死」を迎えるための、実際が語られている。これは、おそらく、本人を中心として、周囲が、死をそのように受け止められるようにする医療チームとしての最大限できることとして、書かれているのだろう。課題も見える。一つは、癌には、有効であるが、肉体的な痛みの除去以外が、中心的な課題である場合は状況が異なることなど、病気の種類に依存し、法律にも関係することが多く、万能のカードではないこと。臨終の瞬間をどう迎えるかは、その後の周囲の人々の人生にとっても、非常に大きなことだろうが、個人的には、あまりにそこに集中しすぎている感じを受けた。ひとりのいのちは、周囲のさまざまなひとたちに受け継がれていくものであり、それが、その人の存在がしっかりつ残ることでもあると同時に、その人の存在なしに、生きていくことを想起させられる、永遠といってもよいほどに継続する営みだとわたしが考えているからだろうか。あまりに明るいものに反発を感じ、生きる苦しさを感じ続けている人に囲まれた中で、なにか軽さを感じてしまうからだろうか。ある感動を持って、一つ一つの事例を読み、さらに、満足して死ねる幸せを持つ人たちが増えていくことを歓迎すると共に、わたしは、この人達とは、違う死に方がしたいと正直思った。イエスの地上での生涯、そして、死と相通じる部分を認めつつも、本質的に違う感覚を、私自身は抱いているからだろう。いずれ言語化してみたい。すこし、否定的なことを書いてしまったが、おそらく、小笠原医師の伝えたいことは、備忘録の最後に引用した言葉だろう。今の医療現場は、これとはあまりにも、かけ離れたものになってしまっている。それを変えていこうとする、大きな一歩であることは確かである。
    以下は備忘録: (2020.1.2)

  2. 「SIM宣教シリーズ2 陶器師の手の中で 世界宣教と弟子訓練」SIM日本委員会.(ISBN978-4-9906740-1-4, 2019.5.10)
    主たる著者で、SIM日本委員会委員長の小川国光先生から、開拓伝道をしておられる、東京恵約キリスト教会の礼拝に出席した時にいただいた。SIM は、Sudan Inland Mission の略だが、スーダンに限らず、宣教師を派遣している。日本から送っているのは、アジアとアフリカ。先生は、インドネシアへの宣教師、武蔵野福音自由教会牧師などの経歴をもつ。お子様二人が、SIM を通して、タンザニアに宣教師として赴任している。第一部 世界宣教に従事する喜びとチャレンジ、第二部 宣教師派遣の戦い・困難と祝福、第三部 世界宣教と弟子訓練:50年にわたる宣教奉仕の物語 宣教と弟子づくり:困難と祝福(小川国光)の構成になっている。一部と二部の明確な違いは不明。表題は、おそらく p.184 に引用されているエレミヤ18章4節から取ったものであろう。宣教師として派遣する、されることについて、考えてみたいととも思い、読んだ。正直、神からの啓示と召命が(神と人との間の)個人的なものなのか、交わりのなかからおこされるものなのかにおいて、前者が非常に強いことに、違和感がある。むろん、召されてから、ひとり一人が導かれ信仰的にも成長していくことに、共感も感じるが。いつか、小川先生とも、ゆっくり話してみたい。
    以下は備忘録: (2020.1.17)

  3. 「データサイエンス講義」Rachel Schutt, Cathy O'Neil著、瀬戸山雅人他訳、オライリー・ジャパン(ISBN978-4-87311-701-0, 2014.10.28)
    原書のタイトルは “Doing Data Science: Straight Talk from the Frontline” 本書の目的は「データサイエンティストとはどのような人物で、どのような手法を使っているかを学ぶこと」(p.383)としているが、まさにそれが実現されていると思う。R. Schutt の講義で、それを聴講していた、C. O’Neil のノートなどを加えて、共著としているようである。O’Neil が加わっていることで、倫理的な問題にも頻繁に触れている。目次 を見ればわかるが、データサイエンスとはからはじまり、そのプロセス、アルゴリズムの概略を説明してから、ゲスト講義を含む、それぞれの分野での実際が書かれており、さらに、いくつかコードもあり、サイトからデータもとれるようになっており、その意味でもよくできている。ただ、英語版は2013年であるため、データなどがすでにダウンロードできなくなっているものもある。特にこの分野は、原本が出てすぐに手にするのがよいのだろう。
    以下は備忘録: (2020.1.18)

  4. 「すっきり分かる『最強のAI』の仕組み 続 AIにできること、できないこと」藤本浩司監修、柴原一友著、日本技術評論社(ISBN978-4-535-78902-9, 2019.11.25)
    1章 最強AIへの導入(AI の仕組みと機能)、2章 ResNet(画像認識)、3章 BERT(言語認識)、4章 AlphaZero(強化学習によるゲーム攻略) という構成になっている。ていねいに、AIの中身を、やさしいことばで説明しようとしている。特に、課題解決を四つの分野にわけ、動機:解決すべき課題を定める力(解くべき課題を見つける)、目標設計:何が正解かを定める力(どうなったら解けたとするかを決める)、思考集中:考えるべきことを捉える力(解く上で見当すべき要素を絞る)、発見:正解へとつながる要素を見つける力(課題を解く要素を見つける)とまとめて、それぞれの「最強AI」がどの部分を急速に改善したか、何が課題として残っているかを説明している。個人的には、ことばがまだこなれていないと感じたが、表題の「AIにできること、できないこと」については、ある部分、伝えることができていると思う。これをきっかけに、論文やネット上での解説なども、見ることができたので、あとは、自分で勉強したいと思った。
    以下は備忘録: (2020.1.22)

  5. "Multilingualism - A Very Short Introduction", John C. Maher, Oxford University Press(ISBN978-0-19-872499-5, 2017, pp.148)
    このシリーズの本を何冊か読んでみたかったが、いままでチャンスがなかった。たまたま、以前、同僚だった著者からのメールにこの本のことが書いてあり、手に取った。目次に、 1. A multilingual world 2. The causes of multilingualism 3. Multilingualism, myth, and controversies 4. People, language, and dangerous things 5. Individual multilingualism: one mind, many languages 6. Politics, language, and the state 7. Identity and culture 8. Lingua franca, hybrids, and constructed languages 9. Endangered languages とあるとおり、社会言語学から広い視野で、Multilingualism について書いてある。個人的には、3 で扱っている、「母語・一言語をしっかり習得することが人間形成に重要」といわれる myth に疑いを持っていたため、わたしの違和感は、おかしなものではないとの確信もえることができた。多文化、多言語、難しい問題でもあるが、文化論から考える視点に、興味を持つことができた。
    以下は備忘録: (2020.2.3)

  6. 「アルゴリズムが世界を支配する」クリストファー・スタイナー(Christopher Steiner)著、角川 Epub 選書004(ISBN978-4-04-080004-2, 2013.10.10)
    原著タイトルは “AUTOMATE THIS: how algorithm came to rule our world” となっている。著者は、エンジニアで、起業家でもあり、フォーブスや、シカゴ・トリビューンのライターでもあったとのことで、書き方も、内容もすばらしい。訳は技術的な部分が多少弱い感じがしたが、違和感なく読むことができた。Wall Street での Quants の先駆けである Thomas Peterffy による Call Option, Put Option を Black–Scholes equation が発表される前から、試行錯誤で予測値を計算して、膨大な富を築くはなしから始め、Spread Networks (Dan Spivey, James L. Barksdale) による独自の光回線を引く話、Ben Novak の "Turn Your Car Around” からはじめて音楽作成の話、興味深い話が続く。試し読みサイト に目次も含まれる情報がある。理系エンジニアの栄光に偏りすぎ、その問題点は指摘するが、どうすればよいかなど、対応については、語らない。原著は2012年だから、まだリーマンショック(2008年9月15日)の後日談までが精一杯だったのかもしれない。 しかし、いまなら、メディア界では、AI ということばを使うが、この技術の発展と、世界への影響を書いた本としては、秀逸。
    以下は備忘録: (2020.2.10)

  7. 「私はこうして世界を理解できるようになった」ハンス・ロスリング、ファニー・ヘルエスタム著、青土社(ISBN978-4-7917-7217-9, 2019.10.10)
    "How I learned to understand the world” by Hans Rosling with Fanny Haergestam の訳。Factfulness の著者、Gapminder 創設者の自伝である。最後には、Factfulness につなげているが、個人的には、H. Rosling が世界を他の人のようには、バイアスなく見ることができるのには、最初に統計学を学んだことと、医学部の学生時代に休学して、インドで学んだり、おくさんと、インドネシアまで旅行したり、モザンビークで医師として、また、公衆衛生の学者として働いたり、コンゴや、リベリアや、キューバでも現地の人のなかで、調査をしたことなど、実際の世界を経験していることが大きいと思う。確かにバイアスは、いろいろな形が作られるし、経験から学ぶことと、統計学的な知見だけでは、世界を理解するのは難しいだろうが、その影響が大きいことは、自分の経験からも非常に納得できることである。夫婦で、赤ちゃんの世話のために、Hans のほうが、育休を取ると、約束したのに、上司に解雇を言われて、やはり無理だからと奥さんに、休んで欲しいと言ったときのことが書かれている。奥さんに、「あなたのシャツとパンツと靴下よ。私の人生から出て行ってちょうだい。二度と戻ってこないで。あなたが育休を取るって二人で決めたじゃない。私、学校にももう伝えたのに。」と言われて、目が覚めたともあった。わたしも、「5人を育てるために、わたしは、ずっと人生を犠牲にした」と、家内によく責められるので、わかっていない、自分に、ぎょっとさせられた。そんなこと、ばかりなのだろう。いろいろなバイアスで、なかなか理解できないことも知らされた。Factfulness を補完するうえでも、また、自伝としても、お勧めの一冊であるが、正直に言うと、誤植も含め、翻訳の荒さが気になった。
    以下は備忘録: (2020.2.18)

  8. 「ファクトフルネス」ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロランド著、日経BP社(ISBN978-4-8222-8960-7, 2019.1.15)
    副題が「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」とあり、10の思い込みごとに、まとめられている。最初にチンパンジークイズと呼ばれる13問からなる問題がある。Gapminder ホームページの一番上に載っている。ログイン言語で受けることができる。共著者は、ハンスの息子と、その妻。Bill Gates は、アメリカの大学生でこの本を読みたい人にはわたしが、本の代金を払うとまでいい、サマリーを公開している。個人的な感想も含め、備忘録として記す。 (2020.2.23)

  9. "R for Everyone - Second Edition", Jared P. Lander, Addison-Wesley(ISBN978-0-13-454692-6, 2017)
    著者は、New York Open Statistical Programming Meetup (the world’s largest R meetup) の主催者で、Colombia University でも、Adjunct Professor として、Data Science のコースを教えている Data Scientist である。Video Lecture なども提供している。R を基本的に勉強してきたので、ちょっとおさらいがてら、一通り通して学ぶために読んだ。Code などは、Rmarkdown で入力して、動作を確認した。いくつか、動かないものがあったが、殆どは問題なかった。様々な Package の集合体の、Tidyverse や、機械学習ぜんたいのとりまとめを可能にする、Caret さらに、Rmarkdown や、Shiny についても、書かれているので、それほど、分厚い本ではない(pp 560)。アカデミックな分野で活躍してきた人ではないので、技術本という印象はぬぐえないが、基本的な内容は確認できたと思う。目次情報などはたとえば紀伊國屋書店のサイトにもある。
    (2020.2.28)

  10. 「世界を支配するベイズの定理 - スパムメールの仕分けから人類の終焉までを予測する究極の方程式」ウィリアム・パウンドストーン著、飯島貴子訳 青土社(ISBN978-4-7917-7240-7, 2019.12.30)
    "THE DOOMSDAY CALCULATION, How an Equation that Predicts the Future is Transforming Everything We Know About Life and the Universe", by William Poundston の全訳。表題に興味をもって借りたが、訳者に申し訳ないが、個人的には、原著の表題ともあっていないだけではなく、内容とも不整合だと思う。ベイズの定理は登場するが、それを、中心に置いて予測することを重視せずにランダムネスに中心を置いて予測する、J. Richard Gott, III の論文 "Implications of the Coperunecan Principle for Our Future Prospects" Nature 363 (1993): 315-319 と "Future Prospects Discussed" Nature 368 (1994): 108 を中心に、Nick Bostrom や John Leslieの対応する論文や、発言を紹介しながら書かれている。正直言って、非常に高いレベルの科学書だと関心した。特に、Gott の議論は、詳細に正確に述べられ、それに対する、他のひとの反論などとともに、著者の評価も書かれている。十分に理解できたとは言えないが、この手の書として、怪しげなことは無い、好著だと思う。訳は概して正確だが、キリスト教が関係した用語には誤訳が多い。Gott の予測は、人口計算を修正すると、20年後から、3万年後の間が信頼区間だという。(p.37)著者は、標準的には760年と言っているそうである。
    以下は備忘録: (2020.3.18)

  11. 「神のかたちとして- 聖書は女性をどう見るか」稲垣緋紗子著、いのちのことば社(ISBN978-4-264-03959-4, 2004.5.10, 2018.11.1 増補改訂)
    ある教会を訪問したときに、著者からいただいて読んだ。フェミニスト神学として、聖書の新しい見方・解釈が広がっているが、福音主義信仰にたったものとして、主要なジェンダーが関係する聖句の解説が、ていねいに説明されている。殆どは、すでに、他の本や記事で知っていたものであるが、全126ページの本にコンパクトにまとまっている。最後に「女が男の創造者である、と教えてはならない 1-5」は、おそらく、著者のあたらしい解釈が多く含まれている部分なのだろう。個人的には、あまりに「対等」ということばが多く、切り口が狭いと感じた。平等ではなく、公平とか、尊厳をたいせつにし、尊びあうことを表現するには、もっと豊かな表現があるはずであると思う。聖書のことばをていねいに見ていく読み方、原語の意味をしっかりと理解するところまでは、わたしも心がけていることであるが、当時どのように、そのことばが使われていたかまでを判断に入れるには、根拠の検証があまりにたいへんであると感じた。それは、文化をどう理解するかの問題に入り込まざるを得ないからである。対等ではないと思われる文化の形態に対して、現実的に、向き合う必要があり、それに愛をもって対するときに、「対等」だけでは行き詰まると思うからである。アフリカや発展途上の国や、いなかに住む人々など、かなり異なる文化の中で、どう生きるかについて課題を残す。
    (2020.3.22)

  12. 「みんなの量子コンピュータ - 量子コンピューティングを構成する基礎理論のエッセンス」Chris Bernhardt著、湊雄一郎・中田真秀監修・翻訳、翔泳社(ISBN978-4-7981-6357-4, 2020.1.24)
    著者は数学で博士号を得た方で、理解しやすい。量子コンピュータは、多くの直感に反するアイデアが含まれているが、著者は、すべてをできるだけシンプルにすることで、非専門家にもこれらの重要なポイントを紹介している。第一章 スピン、第二章 線形代数、第三章 スピンと量子ビット、第四章 量子もつれ、第五章 ベルの不等式、第六章 古典論理、ゲート、および回路、第七章 量子ゲートと回路、第八章 量子アルゴリズム、第九章 量子コンピューティングの与える影響。1.6 の光子と偏向の実験はとても面白い、実際に見てみたい。3.12 の Charles Henry Benett と Gilles Brassard の、BB84 protocol は面白い。最後には、いくつか量子ゲートを説明してから、ドイッチージョサのアルゴリズムや、サイモンのアルゴリズムもていねいに説明されている。ショアのアルゴリズムとグローバーのアルゴリズムについては、説明が十分とは言えないが、さらに、一歩専門に近いものを学んで見たくなった。複素直交行列に関しては、MUB など、もう少し専門的にも考えてみたい。
    (2020.5.3)

  13. 「エンディング・サイン - 感謝を伝え喜びを共にするために今から伝えよう「別れのサイン」!」小川吾朗著(ISBN978-4-902376-18-0, 2019.10.1)
    「別れ・勝利・感謝」と「幸いなる死、い(いのち)・や(安らぎ)・さ(再会)・か(完成)」を薦めている。著者もよく知っているので、批判するつもりはないが、わたしのいまたいせつにしていることとはかなり違うと感じた。ただ、このような生き方・死に方をもとめるひとも多いのだろう。わたしには、少なくとも、イエスの生涯はこのようなものではなかったと思う。神さまの判断を先取りすることはできない。日々生きるように死に、死を前にしたように生きたい。つねに、探し求め、そのときに達し得たところに従って。
    (2020.6.11)

  14. 「親子で学ぶ!統計学はじめて図鑑」渡辺美智子監修、青山和裕・川上貴・山口和範・渡辺美智子著、友永たろイラスト、日本図書センター(ISBN978-4-284-20394-4, 2017.4.25)
    統計にからめてナイチンゲールの話を児童養護施設のこどもたちにすることにしたので借りて読むことにした。第2項目目にナイチンゲールのバラのグラフが登場する。Florence Nightingale のバラのグラフの説明では「中心からの距離で表している」としているが、原文では、The Areas of the blue, red & black wedges are each measured from the center as the common vertex. となっており、面積であるべきだと思う。監修者は数学教育で知っており、統計教育に熱心な方だが、全体としては、非常によく書かれている。ただ、親子でこれを理解して、学ぶのはよほどすぐれた親でないと無理だとも感じた。実証的(emperical)な学問で、実際の経験がないと、非常に薄くなってしまうからである。その項目に関わり親子や学校で取り上げられる実践課題の提示とヒント・注意点などに重点があったほうがよいとも思ったが、自分でそのようにできるわけではないので、まずは、一冊このようなものがあるということで素晴らしいと思うことにしよう。以下は個人的な備忘録である。
    このような情報が含まれるホームページがたくさんできオンラインで学びができることを願う。
    (2020.7.15)

  15. 「ナイチンゲール神話と真実」ヒュー・スモール著、田中京子訳、みすず書房(ISBN978-4-622-07036-7, 2003.6.13)
    原著タイトルは “Florence Nightingale: Avenging Angel” by de Hugh Small。同じタイトルの非常に詳しいホームページがあり、ビデオや実際のナイチンゲールの手紙のアーカイブをどのように利用するかも示されている。一番強い印象は、ナイチンゲールの身をもっての経験と自分の誤解を公衆衛生の統計的手法で学び自分の誤解を批判されることをおそれず真実を伝えようとしただけではなく、未来への宿題も提示したことだろうか。彼女のような考え方が受け入れられないことが、太平洋戦争の日本軍の悲惨さを増大させただけでなく、今日においても、世界が公衆衛生の課題について多くのひとの苦しみを残してしまっているように思われる。大きな宿題を受け取ったように感じた。序にある川島みどり氏の看護師からみた解説も秀逸で、スモールのみかたの弱い部分を補っているように思う。また、人物相関図などの図もわかりやすくて参照して読むことができる。産業革命以後のイギリスの思想と宗教、それを背景とした、ナイチンゲールの考え方と苦悩(おそらくそのように呼んでよいもの)も興味深い。
    以下は備忘録: (2020.8.4)

  16. 「真理の探求〜抜粋と注解〜」フローレンス・ナイチンゲール著、マイケル・D・カラブリア他編著、竹内喜・菱沼裕子・助川尚子訳、小林章夫監訳、うぶすな書院(ISBN4-900470-18-X, 2005.7.11)
    Florence Nightingale の原著 'Suggestions for Thought To Searchers After Religious Truth' をまとめて解説をつけたものの和訳である。クリミアに行く前の1852年ごろに推敲を重ね、1860年に私家版として6冊のみ印刷されたもので、ナイチンゲールの30代に書かれたものだが、非常に広範な思索が記されれている。1.神の概念について、2.普遍的法則について、3.神の法則と人間の意志について、4.罪と悪について、5.家庭生活について、6.霊的生活について、7.死後の生について。J.S. ミルズに意見を求めて送っているなど、当時の思想家との交流、さらにヨーロッパやエジプト旅行などで受けた刺激も反映されている。最初に、編著者の解説がついており、さらに、最後に、聖路加のチャプレンであった西村哲郎の読者への手引がついている。ナイチンゲールは、「生涯を公衆衛生の改善と人々の苦痛除去に捧げたことは周知の通りで、クリミア戦争でも適切な補給や施設さえ整えることができたなら、多数の兵士を死に追いやらずに済んだのにと、彼女を悩まし続けた。」(p.408, Cf.p.350)このナイチンゲールの背後にあるものを学びたかったので手にとったが、それなりに若い時代での思索であることに、驚いた。実際に、行動し、生きることにより深められたものは、思想としてことばになることはないのかもしれない。かえって、その価値の重さを感じる。
    以下は備忘録: (2020.8.23)

  17. 「愛と勇気をあたえたひとびと8 ナイチンゲール〜人につくす喜びこそ生きる喜び」リチャード・テームズ著、来住(きしゅ)道子訳、国土社(ISBN978-4-337-15908-2, 1999.3.25)
    Frore Nightingale by Richard Tames からの翻訳の児童書である。56ページ。ヴィクトリア時代に、ヴィクトリア女王の次に有名な女性と紹介されている。いままで、ナイチンゲールに関して専門書に近いものを二冊読んだが、この本は、わかりやすくてとてもよいと感じた。たしかに、専門書は断面としては、精緻に資料も丁寧にたどっているが、人間は全体として捉えるべきで、あることの謎を解き明かす一つの鍵とはなるだろうが、かえって、全体的な視野が欠けるように思った。これは、学問というものへの問いかけでもあるのかもしれない。写真も多く、年譜や、用語解説もついていて、このレベルのものを読むのはこれからも情報源として有効だと感じた。よく書けていると思う。むろん、掘り下げられていない面があるが。このシリーズは、全8巻。チャンスを見て、一冊ずつ読んでみたい。この本を読んで、ナイチンゲールが家族や親族、近隣の貧しいひとも含めて、看護を実際にかなりしながら学んだこともわかった。これは、クリミア後も続く。看護をたいせつなことと考えていた証拠でもあろう。救貧院改革など、全体的な学びもしてみたいと思った。学び方として、最初には、このような伝記がよいのかもしれない。表紙裏から引用する。「19世紀のイギリスで、上流階級に生まれ、華やかなくらしを送っていたナイチンゲール。しかし、そんな彼女には裕福な生活よりも、もっと大切な夢がありました。それは病人や貧しい人々のためにつくす看護婦になることでした。当時の病院は、どこもすたれきり、まともな訓練を受けた看護婦はほとんどおらず、悲惨な状態におかれていたのです。そうした状況を目の当たりにしたナイチンゲールは、自ら看護の問題に取り組もうと立ち上がります。看護婦という仕事を、ひとつの立派な職業として確立した彼女の愛に満ちた生きざまを見つめていきます。」このような紹介の仕方から、このシリーズの編纂意図が感じられる。目次:なじめない上流社会、ナイチンゲール以前の看護婦、看護への道へ、クリミア戦争、ランプを持つレディー、シドニー・ハーバート、改革者として、イギリス植民地下のインド、ナイチンゲール・ナース、あとがき(弱き人々のために)、年譜・用語解説
    (2020.8.26)

  18. 「愛と勇気をあたえたひとびと1 マザー・テレサ〜すべての人に愛を伝える世界の母」リチャード・テームズ著、内藤ゆかり訳、国土社(ISBN978-4-337-15901-3, 1999.3.10)
    Mather Teresa by Richard Tames からの翻訳の児童書である。56ページ。シリーズの一冊目である。1910年8月26日、ユーゴスラビアのスコピエで生まれた、ゴンジャ・アグネス・ボワジュ。マザー・テレサの本名である。お父さんも高額の寄付をしたり、お父さんがなくなってとても裕福とは言えない状態で、多くの貧しい子供をおかあさんが、食事に招いていたようだ。そのお母さん、宣教師になりたいというアグネスにかけた言葉「わかったわアグネス。では、やくそくしてちょうだい。なにかをはじめる時は、まごころをもってしなさい。でなければ、なにひとつはじめてはいけません。」(p.9)と伝える。1946年9月10日「修道院を去り、貧しい人たちとともにくらし、こまっている人の手助けをしなさい。」神の声を聞き、許可を得て、パトナにあるアメリカ医療宣教修道会の病院で4ヶ月の看護学の集中レッスンをうけ、一歩を踏み出す。米と塩だけの質素な食事を考えていたマザーに、マザー・テンガルは「そんな食事を続けていたら、助けをもとめてやってくる人たちよりも、もっともっと悪いことになりますよ。あなたは貧しい人たち、病気の人たちを助けたいのですか? それとも、ともに死にたいのですか? わかいシスターたちを、病気にしたいのですか? それとも健康で強くあってほしいですか? 健康なら、キリストのために働けるのではないですか?」(p.24)最初の協力者は、テレサの教え子のスバシニ・ダス、それも感動である。「わたしたちは共同生活の中で、キリスト自身の貧しさと、わたしたちの貧しさを分かち合うことを望んでいます。」(p.49)「貧しい人たちは、神がすがたをかえてあらわれています。貧しい人のからだに触れるとき、わたしたちはキリストのからだに触れているのです。」(p.49)死に臨んで「『とくべつな治療はいりません。貧しい人たちと同じように死なせてください。』そして、1997年9月5日『もう息ができません。』のひとことを残し、マザー・テレサはこの世を去りました。87歳でした。」(p.52)表紙裏からの引用「インドへ言って貧しい人のために働きたい。それがマザー・テレサのこどものころからの夢でした。やがて夢は現実に。18歳でシスターとなったテレサは、インドのカルカッタへ修道院付属学校の教師として派遣されます。しかし、そこはテレサのもとめた貧しい人のいるところとは別世界でした。自分がほんとうにしたいことは?悩むテレサに、ある日神の声が聞こえて来ます。迷わずスラムにとびこんだシスター・テレサは、たったひとりで貧しい人たちのために働きはじめました。お金より愛をもとめたマザー・テレサの活動は世界へと広がっていったのです。」目次:宣教師になりたい、ロレット修道会、シスター・テレサ 先生になる、カルカッタ、神様の声が! ベンガル地方とベンガル語、やすらかに天国へ行ってほしい、ハンセン氏病、世界へむけて、ノーベル賞、ノーベル平和賞、マザー・テレサのメッセージ、あとがき<ほんとうの豊かさとは>、年譜・用語解説。マザー・テレサについては、いずれまた学んでみたい。マザーの生き方が多くに人の日常の生き方になることはないのだろうか。
    (2020.8.27)

  19. 「愛と勇気をあたえたひとびと2 ネルソン・マンデラ〜南アフリカの革命児”黒ハコベ”」リチャード・テームズ著、森泉亮子訳、国土社(ISBN978-4-337-15902-9, 1999.3.20)
    Nelson Mandela by Richard Tames からの翻訳の児童書である。56ページ。シリーズの二冊目である。原著は1991年に書かれており、大統領の期間は、1994年から1999年。亡くなったのは、2013年12月5日。大統領時代などにも興味がある。生まれは、1918年7月18日である。イギリスの Westminster 寺院の前の銅像の端にあったのが、ネルソン・マンデラだった。三人の女性と結婚していることなど、今回はじめて知った。1955年の自由憲章「わたしたち南アフリカの国民は、わが国と世界のすべての人々に宣言する。南アフリカは、黒人でも白人でも、そこに住む国民すべてのものである。すべての国民がのぞまない限り、政府は国を支配できない。」(p.26)と始まる。自由憲章起草から、アパルトヘイト撤廃され、民主的な選挙が行われた、1994年までは、40年である。興味を持ったのは、非暴力から、暴力も辞さないと変化したときのことば。「暴力をつかわないやり方でANCは50年も政府と戦ってきましたが、アパルトヘイトはきびしくなるばかりです。ANCの戦いを政府が武器をつかってつぶそうとするならば、わたしたちも考え直さなくてはなりません。わたし自身は、暴力を使わない方法を終わらせるときが来たと思っています。」(p.28)暴力を放棄せよ、そうすれば釈放するという、ポタ大統領のことばに対し、娘のジンジが読み上げたことば。「わたしは暴力がすきな人間ではありません。武器をもって立ち上がる以外の方法しか、われわれに残されていなかったのです。ほかのやり方はすべて、政府に潰されてしまったのですから。・・・自由な人間だけが、話し合いの場を持つことが許されます。刑務所にいる人間と、相談して何かを決めようとしても無理なのです。あなたがたもわたしも自由でないときは、わたしは何の約束もできませんし、するつもりもありません。あなたがたの自由が、わたし自身の自由でもあるのです。わたしは必ず戻ってきます。」(p.45)「デ・クラーク大統領と会ったとき:こんなまじめで正直な白人リーダーに会ったことがない。一緒に仕事ができる人物だと思った。」(p.50)デ・クラークについても学んでみたい。あるイギリス人ジャーナリストの言葉「マンデラ氏は大勢のなかにいても、とりわけ光って見える。周囲にいる人間など、かすんで見えなくなってしまうので。」(p.50)そんな人に直接会ってみたかった。表紙裏からの引用「おさないときのマンデラの名前はロリシャーシャー問題を起こす人(トラブルメーカー)という意味です。成人したマンデラは、その名にふさわしい人生を送ることになります。少数の白人だけが国を支配するという、人種差別的な政策アパルトヘイトに、南アフリカの“問題児”として政府に立ち向かうための人生が待ち受けていたからです。逮捕、裁判、活動禁止命令・・・政府のいやがらせは続きました。それでもマンデラは、ANC(アフリカ民族会議)の中心メンバーとして活躍します。そんなマンデラについたあだ名は“黒ハコベ”でした。」目次:その名はトラブルメーカー、アフリカ民族会議 African National Congress、危険人物にされて、アパルトヘイトとは? 自由憲章、”黒ハコベ”、南アフリカを変えよう!、ブタバコ入り、世界の国々から受けた賞、釈放せよ!、あとがき<その後のマンデラ>、年譜・用語解説
    (2020.8.27)

  20. 「伝記 世界を変えた人々 5 ナイチンゲール〜現在の看護のあり方を確立した、イギリスの不屈の運動家」パム・ブラウン著、茅野美ど里訳、偕成社(ISBN978-4-03-542050-7 1991.7)
    フローレンス・ナイチンゲールの一生をていねいに記述している。おそらく、ナイチンゲールの伝記を読みたいと思って手にとった少年少女は、当惑するのではないだろうか。あまりにも、さまざまなことに一生をかけて取り組み、そのなかでひとが形作られていく、ひとりの人の苦悩と不屈の魂での努力と情熱と恵みふかいこころがここに書かれているのだから。無論、社会科学者が描く内容とは異なり、また、当時の状況を分析して書いているのでもないが(背景は書かれている)、ひとりのすばらしい人間を浮かび上がらせていることは確かだろう。写真で残っているものは少ないが、挿絵も当時のものが多く使われており、それに添えられたことばも興味深い。扉の次には次のようにある。「フローレンス・ナイチンゲールは、なんの地位ももってはいなかったが、まわりの男性がそうよぶように、まさに最高司令官なのであった。フローレンスが問題点をしらべ、正しい結論をまとめて文書にする。その書類を代弁者である彼らに教えるのであった。(セシル・ウーダム・スミス)」
    以下は備忘録: (2020.9.6)

  21. 「看護覚え書き」フローレンス・ナイチンゲール著、小林章夫・竹内喜訳、うぶすな書院(ISBN4-900470-08-2 1995.11.24)
    フローレンス・ナイチンゲールの書いたもので一番読まれている、主著といってもよいものである。原著名は、Notes on Nursing: What it is and What it is not. 次のように始まる。「以下の覚え書は、看護婦に看護を学ばせるための考え方の規範を示そうとしたのでは決してなく、まして看護婦に看護の仕方を教える手引書でもありません。この書は他人の健康に直接責任を負っている女性たちに、考え方のヒントをあたえるためにのみ書かれたものなのです。」(i) とある。しかしそれ故にこの書は時代を超えて、他人の健康に直接の責任を負っているひとたちに、示唆をあたえるものであり続けているのだろう。日本でも、たくさんの論文も書かれ、様々な方向から読まれているようである。さらに、序章の始まりもすごい。「まずは、病気について、一般原理を以下のようにたてることから始めましょうか。ーおよそ病気というものは、その過程のどこかで、程度の違いがあるにしても修復の作用過程なのであり、必ずしも苦痛が伴うとは限らないのです。つまりそれは、何週間も、何ヶ月も、時には何年も前から、気づかれることなく起こっている、毒され衰弱する過程を治癒しようとする自然による働きなのであり、病気がどんな結果で終わるかは、この修復の過程が刻々と作用している間に決定されるのです。」(p.1)「看護という言葉を使っていますが、これは他に良い言葉が見つからないからなのです。看護といえばこれまでは、薬を与えたり、湿布を施したりという程度の意味しか持ちませんでした。しかし看護とは、新鮮な空気や陽光、暖かさた清潔さや静けさを適正に保ち、食事を適切に選び管理する。すなわち、患者にとって生命力の消耗が最小になるようにして、これらすべてを適切に行うことである、という意味を持つべきなのです。」(p.2)これだけでは理解しづらいかもしれないが、読んでいくと非常に Inspiring である。ここにもある新鮮な空気に関しては、「アンガス・スミス博士の空気検査計が、もしもっと簡単に利用できるものであれば、すべての寝室の必需品となることでしょう。」(p.12)とある。現代は、センサー技術が非常に発達している。しかし、このようなものは、Covid-19 の流行っているいまも、使われていない。なんとも不思議である。ナイチンゲールがあまりに凄すぎて、十分理解されていない一つの証拠でもあろう。
    以下は備忘録: 訳者注以降がよくまとまっていて、参考になる。もう一度読んでみたくなる。今度は英語で読みたいが。
    (2020.9.16)

  22. 「精神障害とキリスト者〜そこに働く神の愛」石丸昌彦監修、日本キリスト教団出版局(ISBN978-4-8184-1051-0 2020.1.25)
    特別非営利活動法人キリスト教メンタル・ケア・センター(CMCC)の知人から頂いた。監修者は放送大学教授、専攻は精神医学で、キリスト教メンタル・ケア・センター副理事長。『信徒の友』に2017年4月号から2019年4月号まで連絡された「シリーズ精神障害」に加筆および修正を加えたものとある。精神障害当事者または支援者の投稿に、石丸医師が応答する形式になっている。社会とキリスト教会の役割を問うているが、石丸先生の応答が精神障害当事者および支援者によって書かれたことを丁寧に受け取るところから始めており、文章自体が癒やしを生み出している。帯のことばを引用する。「この原稿の依頼が編集部からあったとき、『向いていない』仕事にもがき苦しんでいることを書かずにはいられないと思いました。そうでないと、ただうつと躁に翻弄されているかのような自分の歩みは虚しいだけです。確かに虚しいのだけれども、そのなかの時々にイエスと出会ってきたとしか言いようがありません。(辻中徹也:島原伝道所牧師、『気がかり幻想襲来症』当事者)」(p.81)日本キリスト教団出版局のこの本のホームページに目次がある。ついつい、重い課題と向き合い、広い視点を失いがちだが、主として石丸先生の記事に含まれているグラフやコラムなども、世界を広げる役目を担っており、将来について考える機会も与えられる。良書である。CMCC内で読書会を企画したいと考えておられる方もおられ、わたしももう一度ゆっくり読んでみたいと思った。石丸先生の謙虚さからも学びつつ。
    (2020.9.29)

  23. 「マンガで分かる心療内科」ゆうきゆう原作・作画ソウ、少年画報社(ISBN978-4-7859-3380-7 2010.5.26)
    ゆうメタルクリニック発の心療内科について説明しているシモネタだらけのマンガである。ホームページにもマンガがある。基本的に、なにか、暗く近寄りがたい感じがする、心療内科、メンタルクリニックを明るく紹介しながら、基本的な情報を提供しているのだろう。娘が買ってきて手元にあったので、第一巻である本書を読んでみた。内容は、おそらく、4,5ページもあれば、書ける内容だろうと思うが、これが伝えるということなのかもしれない。解説文が挿入されまとめられている。1.1/5の確率で精神疾患、2. 精神疾患になる原因って何? 3. 3つの妄想は『うつ』の危険信号? 4. ロリコンはどこから病気なの? 5. 心のEDを改善する方法 6. 90%の正確さで『うつ』が診断できるCES-D 7. 実は男は女になりたい? 8. 幻聴を消す4つの方法 9. SSRIってなんですか? 10. 心療内科っていくらかかるの? 11. 『うつ』と宝くじの以外な関係 12. 認知症…あなたの知能は大丈夫? 13. 『うつ』と感情の心理テスト 基本的な内容をいくつか知ることができたことも、記録しておく。
    (2020.10.5)

  24. 「援助の輪を広げよう - 心病む人々と共に」キリスト教メンタル・ケア・センター編、キリスト新聞社(ISBN4-87395-239-5 1993.5.10)
    キリスト教メンタル・ケア・センターは、1991年5月6日、発会式なので、これは、二年後の発刊である。すでに、30年たっており、状況は多少変化しているが、内容も、レベルも非常に高いように思う。設立時の方々の意気込みが感じられる。初代理事長は、熊澤義宣師である。目次を書いておく。はじめに(熊澤義宣)心病む人と教会(平山正実)心の病と信仰(大宮司信)心でおきる体の病ー心身症(河野友信)アルコール依存症からの帰還(黒田勲・鈴木実・加藤祥子)登校を拒否する子どもたち(高橋良臣)性の悩みとキリスト教(奈良林祥)心病む人々の友となろう(熊澤義宣)法の現場から探る社会復帰(清水徹)社会復帰の周辺ー「野草の会」の試みから(益巌)心病む人への牧会カウンセリング(三永恭平)心の病の体験者から(田村真由美)家族への援助を考える(舟山紀)ボランティアの視点(福井節子・棟居勇)精神科医として(赤星進)キリスト教メンタル・ケア・センターについて、資料。
    以下は備忘録: (2020.10.15)

  25. 「続・心病む人々と共に」キリスト教メンタル・ケア・センター編、キリスト新聞社(ISBN4-87395-370-7 2003.3.20)
    「心病む人々と共に」の続編である。来年2021年が創立30周年となるが、現在まででも発刊はこの二巻だけである。設立当時の方々の多様性とともに、非常に高いレベルと意欲を感じさせる。しかし新しい人たちがどんどん加えられ、働きが広がっていくことは、困難であろうことは、この時点でも見て取れる。日本のキリスト教界の限界だろうか。まだ可能性はあるだろうか。
    以下は備忘録: (2020.10.30)

  26. 「統計解析入門」篠崎信雄著、サイエンス社(ISBN4-7819-0741-5 1994.10.10)
    例が豊富で、ある程度理論的説明がある本として読んだ。個人的にはとても学ぶことが多かった。どうしても、経験がものを言うのが、実例と演習問題である。演習問題の答えも含めて、それらが非常に豊富である。ただ、解析ソフトを使っていないので、実際のデータはほとんど使っていない。演習問題や、プロジェクトと共に、実際のデータによる課題が豊富な本が、必要であろう。いずれ、bookdown で書ければと思う。そのときは、参考にさせていただきたい。データサイエンスで使うときにはどうしても英語の用語も必要だと感じている。それもできればと願う。目次 : 統計学への招待/ 統計データのまとめ方/ 2次元データのまとめ方/ 確率/ 確率分布とその特性値/ 主な確率分布/ 多次元の確率分布/ 標本分布と統計的推測/ 推定/ 仮説検定/ 直線回帰
    (2020.11.15)

  27. "Hands-On Programming with R - Write our own functions and simulations", by Garrett Grolemund, Forward by Hadley Wickham, O'Reilly (ISBN:978-1-449-35901-0, 2014.7.8)
    "R for Data Science (r4ds)" by Hadley Wickham & Garrett Grolemund を読み始めたら、最初に、前提として、この本が紹介されていたので、まずは、読むことにした。r4ds の、Hadley の 共著者でもある。Hadley が Rice University で教えたときに、TA を務めたとある。データサイエンスの本としては、ちょっと変わっている。しかし、R について熟知しているひとが、r4ds とは、違う路線で、その準備をしているように思われる。三つのパートにわかれ、Part I. Project 1: Weighted Dice, Part II. Project 2: Playing Cards, Part III. Project 3: Slot Machine とし、それぞれの中で、Program の重要性、R の基本、Objects, Function の書き方、Package and Help, Selecting Values, Modifying Values と進み、Environments についても、ていねいに説明している。すこし、Advanced な Program の書き方を説明してから、The S3 System の実際をていねいに説明し、Loop について例を述べてから、Speed について、R の特徴を説明しながら、ほかの言語との違う、高速化の技術を説明している。最後に付属の、Appendix には、各種ファイルの読み書きとともに、Debugging R Code についても、ていねいに説明している。ファイルとしては、247 ページで、この手の本としては、長くはないし、R の Reference としては、使い勝手がよくないが、面白い本である。Bookdown による、Online 版を無料で提供している。R Community のすごさ、RStudio の素晴らしさでもある。
    (2020.11.23)


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