Last Update: December 25, 2016, Revised: April 30, 2026

2016年読書記録


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  1. 「それでも神はいる - 遠藤周作と悪」今井真理、慶應義塾大学出版局 (2015.8.27, ISBN978-4-7664-2254-2)
    遠藤周作に伴って取材活動を手伝っていたこともある文芸評論家が書いたまさに、タイトル通りの評論である。文学自体をあまり読まず、文芸評論に興味がないわたしがこの本を手に取ったのは、タイトルに惹かれたからだと思う。エッセイを別として、遠藤周作の著作も、海と毒薬、沈黙、深い河以外、私は読んでいないように思われる。さらに、この本を読んでいて、海と毒薬については、殆ど覚えていないことも露見してしまった。しかし、一通り、タイトルについて、考えることはできたのではないかと思う。以下は例によって備忘録。 (2016.1.1)

  2. 「Rによるデータマイニング入門」山本義郎・藤野友和・久保田貴文共著、Ohmsha (2015.11.20, ISBN 978-4-274-21817-0)
    第一部 R を使ったデータマイニングの準備、第二部 データマイニング手法、第三部 データマイニングの実践例 と三部構成になっている。第二部は様々な分析手法の紹介があり、第三部には、第二部で紹介したいくつかの手法の評価、株価データを用いた総合指標の作成と、Twitter API をつかい、形態素解析まで解説している。このような種類の他の本と同様に、データやスクリプトもホームページで提供している。入門ではあるが、データマイニングは実際どのようなことをするのか、その可能性もふくめて紹介する本としては、適切であると思われる。複数著者の利点かもしれない。学生にそれぞれの手法を勉強して発表してもらうのにもよいかもしれない。
    (2016.2.7)

  3. 「若者と生きる教会-伝道・教会教育・信仰継承」大嶋重徳著 (2015.9.20, ISBN 978-4-7642-7398-6)
    2014年11月17-18日に開かれた日本基督教団中部教区教師会での講演に加筆・修正をしたもの。著者は1974年福知山市生まれ、京都教育大学、神戸改革派神学校で学ぶ。KGK副総主事、鳩ヶ谷福音自由教会協力牧師。講演1 若者と生きる教会ー失敗につきあう大人たち 講演2 若者に伝える教会ー教会教育と信仰継承 資料:若者の教会に対する意識調査。意識調査は有効回答数308通。「きちんと悩もう」(p42)「超教派」(p43)「何をどのように考えればよいのかを考える力」(p52)「若者と人格的な交わりを持ってくれる大人の存在」(p59)「日本福音自由教会:教会学校出席数:1980-85, 1989-48, 1995-28, 2014-18(61教会平均、会員数、礼拝出席数は横ばい5000弱)」(p65)主眼が教会や教会学校の人数をいかに増やすかに終始しているとことにさびしさを感じたが、それが現実、牧師の一番の関心事なのだろう。技術的なことばかり続いていたのも寂しさを感じた理由かもしれない。しかし、伝統的教団では高齢化はさらに悲惨であろう。キリスト教会がかたる福音が現代の問題に答えられていないということだろう。これは、日本に限らないと思われる、人数的には成長している国地域においても。
    (2016.3.19)

  4. 「一流はなぜシンプルな英単語で話すのか」柴田真一著、青春新書 (2016.3.15, ISBN 978-4-413-04479-0)
    知人の著者から献本でいただいたので、読ませていただいた。著者は、みずほでドイツ、イギリスで20年働いたビジネスマンで現在は、大学教員、NHKラジオ講座「入門ビジネス英語」講師。Communication for International Business, by Bob Dignen, Collins からの引用として、Native Speaker への指針として、 • Slow down and stay slowed down • Speak more simply • Check understanding • Speak less • Avoid humour • Take turns • Avoid sudden change of subject • Native-to-native: be careful, Native 同士で話したときは、概要を説明するなども重要があげられていた。これは、逆の立場でもあることで、国際的に生きる上で必須のことでもある。取り上げている表現は、個人的にもよく使うフレーズが多い。ただし、いくつか自分が使ったことがない表現・語用があったので、あとで備忘録として記す。特に、Column は国際ビジネス一年生向けの、先輩からのメッセージとしても興味深い。「(コミュニケーション力は)国際ビジネスの社会では、自分の意見を伝えると同時に、相手の意見に耳を傾けて理解を示しながら、異なる意見・立場・文化などを超えて話をまとめていく説得力・折衝力」(p.6)しかし、fulfilling and rewarding (p.26) のように、個人的には好まず、使わない表現も含まれている。ビジネスの世界と、わたしのようなものが好きな表現を選んで使う世界とは異なるのであろう。以下は私は知らなかった表現の、備忘録。edge 強み、優勢 (p.79)、terms and conditions (契約上の)条件 (p.101)、outstanding issues 未解決の問題 (p.114)、pencil in 仮の予定を入れる (p.126)、touch wood 英=knock on wood 米 うまくいきますように (p.139)、cherry pick たくさんある候補の中から選ぶ (p.140)
    (2016.3.22)

  5. 「イエス伝」若松英輔著、中央公論社 (2015.12.10, ISBN 978-4-12-004803-6)
    著者は、1968年生まれの批評家で、カトリックの信者。おそらくリルケについても書いておられるのだろう。リルケで卒業研究をした学生からプレゼントされた。文芸批評家らしい文体で、わたしには、とうていこのようには書けないが、正直、内容に新鮮さは感じなかった。わたしも詳しくはないが、アラム語、ヘブル語の知識をどの程度踏まえているのかも、不明で所々違和感があった。
    以下は備忘録: (2016.5.3)

  6. 「地球はひとつ ONE EARTH, OUR EARTH アートによる世界人権宣言」アムネスティ・インターナショナル日本支部 編、金の星社 (1998.11, ISBN 4-323-07006-3)
    世界人権宣言 (Universal Declaration of Human Rights) が、1948年12月10日にパリで開かれた国際連合の総会で当時加盟していた56カ国によって採択されてから50周年を記念して、アムネスティ・インターナショナル日本支部で呼びかけ、22人のアーティストが無償で提供したアートに、これも、ボランティアで翻訳を担当した谷川俊太郎の訳をそえて刊行したもの。表紙はアムネスティ・インターナショナルのシンボル、有刺鉄線にまかれたろうそくである。「暗闇をのろうより、一本のろうそくに灯をともせ(なげくだけでなにもしないより、小さなことでも何かをすべきである)"Better to light a candle than to curse the darkness" (one should do something, however small, instead of just lamenting and doing nothing)」とのメッセージをこめて。イギリスの弁護士ピーター・ベネソンによって始まったアムネスティ・インターナショナルの活動についての説明、日本支部長のイーデス・ハンソンのメッセージ、さらに、いくつかのメッセージがそえられている。以前から谷川俊太郎訳は知っていたが、この絵本はコンパクトによくまとまっている。日英両語で読めるようになっている。英語にも、谷川俊太郎訳のようなものがあるのだろうか。また探してみよう。「第一条(みんな仲間だ)わたしたちはみな、生まれながらにして自由です。ひとりひとりがかけがえのない人間であり、その値打ちも同じです。だからたがいによく考え、助け合わねばなりません。」最後の助け合い、ピアサポートが鍵であるように思われる。心に残った一文「自由になりたい 魏京生(ウェイ・ジンシェン)わたしがだれかほかの人のことを心配したり、だれかがわたしのことを心配してくれるのは、ごくふつうのことです。でも、奴隷の所有者は、ほかの人が奴隷のことを心配するのが許せません。他人が関わることではないといいます。人権を守らず、国民に自由に言わせないようにする国の姿勢は、まるで奴隷所有者そのものです。I WANT MY FREEDOM Wei Jungsheng "That I worry about someone, or someone worries about me, these things are only natural. However, slave owners cannot stand someone worrying about a slave. They say taht it is none of a stranger's business. The attitude of a country that neigher protects the human rights of its people nor allows them to speak their opinion freely has entirely the attitude of slave owners themselves.」
    (2016.5.7)

  7. "ELEANOR ROOSEVELT - Democrat and Humanitarian", Introductory Essay by Matina S. Homer, President, Radcliffe College, TOOR, in Series of American Women of Achievements, Chelsea House (1989, ISBN 1-55546-674-5)
    Theodore Roosevelt の弟の Elliott Roosevelt と 美貌の Anna Hall Roosevelt の間に、1884年に生まれる。やはり、Roosevelt 家で遠い親戚の Franklin Delano Roosevelt と結婚、FDR は 13年間大統領をつとめた、First Lady である。世界人権宣言 (Universal Declaration of Human Rights, 1948年12月10日) の起草をした UN Commission of Human Rights の座長をしたことぐらいしか知らなかった。絵本のような体裁の本で気軽に手に取ったが 111page は十分に濃い内容が書かれている。1章は、Concert in Washington で、すでに世界的に有名だった Marian Anderson のコンサートが、黒人であるという理由で、Constitution Hall の使用が拒否されたことに抗議して、the Daughters of American Revoluton (DAR) を脱会した 1939年のエピソードから始まっている。このコンサートはリンカーンメモリアルで 75,000人を集めて開かれた。不遇な幼少時代、イギリス留学での Marie Souvestre 先生との出会い、夫の、Lucy Mrecer との不倫(結局夫の死まで続く)や、夫の母との確執、夫がポリオで歩くのも困難になり、その足となって全米や、世界を回ったことや、何人もの彼女の批判者のことも書かれている。 行動の人でもある。77歳のときの interview "I know I should slow down, but I think I have a good deal of my uncle Theodore in me, because I could not, at any age, be content to take my place in a corner by the fireside and simply look on. Life was meant to be lived. Curiousity must be kept alive. The fatal thing is the rejection. One must never, for whatever reason, turn his back on life." はよくその生き方を表していると思う。もう少し、勉強してみたい、この人のことを。
    (2016.5.14)

  8. 「エリノア・ルーズベルト」デイビット・ウィナー著、箕浦万里子訳、偕成社 (ISBN978-4-03-542180-1, 1994.2.1)
    「Eleanor Roosevelt アメリカ大統領夫人で、世界人権宣言の起草に大きな役割を果たした人道主義者」と表紙にある。伝記、世界を変えた人々18。文章にすべてルビがついており、若い読者を意識していることがわかるが、日本語を学ぶ人にも有効であるし、多くのひとにとっても読みやすいことを考えると、特にティーンエイジャーやその若い世代を意識することもないかもしれない。ただ、批判的な記述は少なく、偉人伝的な色彩が強いことは確かである。コラムに多くの人のことばが書かれていたり、写真も多く、読みやすい。
    以下は備忘録: (2016.6.26)

  9. 「ITエンジニアのための機械学習理論入門」中井悦司著、技術評論社 (ISBN978-4-7741-7698-7, 2015.11.15)
    リンク:サポートサイト (目次を含む PDF や、ダウンロードサイトへのリンクあり)。ツールとしては、NumPy, SciPy, matplotlib. pandas, PIL, scikit-learn, IPython を用い、IPython のためには、開発環境の canopy を紹介している。機械学習とはどのようなものを言うのかを理解するために読んでみた。プログラムをすべてチェックしたわけではないが、実際にプログラムを動かすこともでき、理解のたすけになる。数学徒の小部屋として背景の数学もある程度紹介されているので個人的には理解しやすい。Christopher Bishop の "Pattern Recognition and Machine Learning" (和訳あり)など基本的な参考図書も紹介されており、わたしの期待したことはすべて得られたと思う。パラメトリックモデルの三つのステップ (1) パラメターを含むモデル(数式)を設定する。(2) パラメターを評価する基準を定める。(3) 最良の評価を与えるパラメターを決定する。(p.72, 86, 119, 206 と4回掲載)をテーマのように記している。まだよく見ていないが、IPython のプログラムはそのままでは動かないものがあるように思われる。
    (2016.6.26)

  10. 「ヨハネによる福音書」カールバルト著、吉永正義、木下 量煕 訳、日本基督教団出版局 (1986.6.20)
    バルトによるヨハネによる福音書1章から8章までの講解である。聖書研究の準備で1年半ほどかけて読んだ。一文一文が長く、内容が詰まっている文章であるので、ゆっくり読まないと理解できない。おそらくそれは訳の問題ではないのだろう。バルトの著作を読んだのは初めてであると思う。内容は詰まっているが、講解ということで、新鮮みを感じる部分とそうではない部分とがあった。1925-6 ミュンスター大学での講義を 1933年に推敲して書いた文章である。緒論では、416年2月にヒッポの司教アウグスティヌスが書いた講解説教の引用からはじめ、福音書の読み方を説いている。一部引用する。 (2016.6.26)

  11. 「新渡戸稲造・南原繁と現代の教養」新渡戸・南原賞委員会シンポジウム、新渡戸・南原賞委員会 (2015.3.31)
    2014年9月23日、学士会館で開かれたシンポジウムの記録であり、この会を最後に、十回の表彰を行った、新渡戸・南原賞は終わることとなった。第一部 シンポジウム 新渡戸・南原と現代の教養、開会のあいさつ 草場克豪、「センモンセンス」と「コモンセンス」新渡戸の教養観 草場克豪、新渡戸稲造と砂本貞吉ー日本キリスト教女子教育を支えた男たち 湊晶子、南原繁の今日的意義ー平和・教育・宗教・現実的理想主義 山口周三、南原繁のリーダーシップに学ぶー時代を動かすリーダーの胆力 樋野興夫、閉会のあいさつ 松谷有希雄。 第二部 新渡戸・南原賞の記録(2004-2015)
    以下は備忘録: (2016.7.10)

  12. 「ナウエンと読む福音書 Jesus: A Gospel レンブラントの素描と共に」ヘンリ・ナウエン(Henri Nouwen)著、マイケル・オラーリン(Michael O'Laughlin)編、小渕春夫訳、あめんどう (ISBN978-4-900677-16-6, 2008.4.30)
    ナウエンと福音書の結びつきから読むことにした。翻訳者は知人。訳者あとがきにも説明があるが、ことばも丁寧に選び、美しい言葉でかつ語り口調で書かれている。
    以下は備忘録: (2016.7.10)

  13. 「悲哀の人 矢内原忠雄 没後五十年を経て改めて読み直す」川中子義勝著、かんよう出版 (ISBN978-4-906902-65-1, 2016.4.20)
    著者は、矢内原(1893-1961)が基礎づけた東京大学聖書研究会で顧問もしている、東京大学教授、専門はドイツ文学・キリスト教思想史。内村鑑三は1930年に亡くなっているが、内村から直接様々な影響を受け、新渡戸稲造が国際連盟事務次長に着任するときに、住友別子鉱業所から呼ばれて、1920年東京帝国大学植民政策講座助教授となる。1925年帝大聖書研究会設立(戦争中一次途絶える)1932年、柳条湖事件についての政府からの調査を断り単身調査旅行をし、軍の自作自演であることを確信、軍と政府とさらに浮き立つ社会を預言者的視点から発言を繰り返し、1937年辞職、戦後復職、1948年 経済学部長、1951年 総長。
    以下は備忘録: (2016.7.17)

  14. 「ルワンダ 闇から光へ 命を支える小さな働き」竹内緑著、日本キリスト教団出版局(ISBN978-4-8184-0895-1, 2016.4.20)
    著者は1954年鳥取県生まれの看護師、1992-2010 日本国際飢餓対策機構から、アフリカ緊急救援チームの一員として派遣される。殆どの機関アフリカで働き、一時、親の介護のために日本に帰国、自身の二次トラウマの癒やしのために、イギリスに滞在、学びのために、アメリカの大学に在学、2014年からはルワンダで心に傷をおった人たちを支援する働きをはじめる。ソマリアやルアンダでの壮絶な状況での支援の記録でもあるが、同時に、本人も二次的なトラウマに陥りながら、生き方を探し求める記録でもある。最後に、自身も難民でありながら、虐殺の起こったルアンダで、償いと赦しによる和解を模索するカリサ牧師に対するインタビュー記事が収録されている。vulnerability の大切さを考えている身として、二次的トラウマなどにどう向き合っていくのかについても考えさせられた。正直、ルアンダでの大虐殺の時に起こったレイプの結果として妊娠、出産したこどもが森に捨てられ、それを保護し、多量の孤児の収容しているという事実は、非常にショックだった。
    以下は備忘録: (2016.7.17)

  15. 「インドネシア語のしくみ」降幡正志著、白水社 (ISBN4-560-06758-9, 2005.5.5)
    マレーシアをほんの少し訪ねる機会があり、マレーシア語(Bahasa Melayu)に近い、インドネシア語の本を借りて旅立つことにした。以前、インドネシアを旅したときに、ほんの少し学んだことがある。しかし、最近、記憶力は殆ど存在しないので、使うことは全く想定せず、この本にした。旅の行き帰りに、楽しく、読み通すことができた。文法に近いが、もっと平たく、少しずつ進めるように書かれていて、素晴らしい。著者は東京外国語大学准教授。英語など西洋系の言語などを持ち出さず(持ち出すとわかりやすいところも多いと思われるが)日本語との類似点に注目し、違いを少しずつ述べながら進めていく筆致は、著者の技量によると思われるが、他の言葉の「しくみ」も知りたくなった。次は、もう少しゆっくり、インドネシアか、マレーシアを旅するときに、一つレベルの上のものを学んでみたい。
    (2016.7.25)

  16. 「増補改訂版 20人にひとりの遺伝子 色弱の子を持つすべての人へ」栗田正樹著、北海道新聞社 (ISBN978-4-89453-827-6, 2016.5.13)
    デザイナーで色覚はP型弱度の著者が、P型強度の岡部正隆東京慈恵会医科大学教授の監修の元で書いた入門書である。私は現在の名称は知らないが色盲であるので、興味を持って手に取った。第一章 私の体験にある、話はあまりに私の経験と酷似しているので、著者履歴をみると、生年は一緒であった。著者の方が一学年上のようであるが。血液型ABと同じようなものとの表現には、正直首をかしげたくなるし、C型と著者が書いている色覚正常者の感想は、非常に自然に思われるが(p.90-93)情報がまとまっていて、最新の研究成果もあり、非常に興味深い。著者が副理事長をしている、北海道CUDOのホームページなどに情報があるので、詳細は書かない。CUDOのホームページ、色覚ナビのホームページにも情報が多い。色覚に関する指導の手引き・資料として文部科学省から出ている資料もある。増補改訂版だけあって、よくまとまっている。
    (2016.7.25)

  17. 「CDエクスプレスドイツ語」小塩節著、白水社 (ISBN4-560-00478-1, 1999.5.25)
    南ドイツを旅行するに当たって学生時代以来久しぶりにドイツ語を復習してみた。このシリーズからは多くの言語について出版されている。学生時代と現在の違いは、個人的な記憶力(覚える力)の喪失と、ある程度英語が使えるようになったことだろうか。ゲルマン系言語であるため、英語と近い部分が多く、そう考えると、確かに、あまり難しくない。ドイツ人が英語が上手なのも、頷ける。最後まで、読み通し、CD を何度か聞き、聞き取れないところは本でチェックした。練習問題の答えも載っているので学習しやすい。次にドイツを旅行するときは、もう一つレベルの上のものを選ぼうと思う。確かではなくても、学生時代に学んだ原理はある程度覚えているものである。
    (2016.8.10)

  18. 「ボンヘッファー」村上伸(ひろし)著、清水書院 (1991.2.10, ISBN4-389-41092-X)
    序 ボンヘッファー(1906-1945)とは何者か、I. 牧師が暗殺計画に加わるまで、II. ディートリッヒ・ボンヘッファーをめぐる人々、III. ボンヘッファーが残した思想的インパクト、エピローグ、あとがき、と続く。目次からも推測できるように、概要を述べた後、まず、暗殺計画に加わるまでを、衝撃的な問題、「キリスト者」としてのボンヘッファー、「同時代人」としてのボンヘッファー、国防軍情報部(Abwehr)に入ったボンヘッファー、ボンヘッファーの逮捕と獄中生活と分けて述べている。おそらくここを中心として著者は書きたかったのだろう。それを肉付けしていく形で、II が続き、そこまで準備した後に III を置いている。意欲的な本だと思う。父の蔵書に含まれており、鉛筆で何カ所かに線が引いてあった。ボンヘッファーと比較すると、12歳ほど下の父が何を考えながら読んだかはわからない。話を聞いてみたかったとは思う。
    以下は備忘録: (2016.8.28)

  19. 「運命としての戦後50年ーICUと日本ー」大木英夫氏講演、国際基督教大学宗務部
    1995年度の「キリスト教週間」特別講演として5月24日に大学礼拝堂でおこなったものと、当時の宗務部長、森本あんり氏の序がついている。1945年を境とした非連続として日本をとらえることを主張し、戦後の日本には「現実と意識の分裂」があり(p.8)欺瞞の中で1995年の阪神大震災を、キルケゴールのトラジコメディーの状態にある。” Our age is a tragicomedy. Tragic because it has failed a long time ago; comic because it still exists.” と述べている。戦後50年をかろうじて生きてきたわたしは、大木氏の言うことのある部分は理解できるが、1995年に学生である若者へのメッセージとしてのインパクトは殆どないのではないだろうか。「ICUへの遺言」と言われているが、ICUへの構成員へのメッセージとしては弱い。「明日の大学」は「今日」生きるものに対しての「明日」であるべきであると思う。
    (2016.8.28)

  20. 「プラハの異端者たち 中世チェコのフス派にみる宗教改革」薩摩秀登著、現代書館 (1998.8.20, ISBN4-7684-6735-0)
    フスは1370年頃、ボヘミヤ南西部のプラハチツェ近郊のフシネフで生まれとされる。プラハチツェの学校に通った後、プラハ大学(アルプスの北の最古の大学)の自由学芸学部に学び、1396年に自由学芸のマギステルとなり、二年後には、教授として大学で教え、1400年に叙階をうけて聖職者となっている。聖職者の不道徳を批判するとともに「教会とは目に見える組織としての教会ではなく、救済を予定されたものの共同体である」(p.87)とし、聖書を第一とすると共に、贖宥状販売を批判し、教皇の権威に対する批判へと進んでいった。また後にフス派の中心的な教義となる二種聖餐(聖杯派)を支持する。アビニョンとローマと独立にたてた教皇を一本化することが中心であったコンスタンツの公会議で、異端とされ、1415年7月8日に火刑に処せられる。その後、フス派がプラハを中心に、1621年頃、ハプスブルグ家によるカトリック以外認めない政策が勝利するまで続く。プラハ中心の歴史を特に、200年間ほどを中心に描いており、非常に興味深かった。特に、フス派が穏健派や過激派、隠遁派などさまざまに別れ、上級貴族、下級貴族、市民、農民それぞれが関わる形で、歴史に関わっていく様子が様々な想像をかき立てる。歴史にとても興味をもった。
    以下は備忘録: (2016.9.2)

  21. 「共に生きる生活」ボンヘッファー著、森野善右衛門訳、新教出版社(1016-525651-6100, 1975.8.31)
    Dietrich Bonhoeffer, GEMEINSAMES LEBEN, 1939 の翻訳。1935.2-1937.4 の告白教会の牧師研究所所長として若い研修生との交わりの実践がもとにある。「(一つとされるときまで)神の民は、散らされたままで、ただイエス・キリストにおいてのみ結びあわされており、不信仰者の間に散らされながら、遠い国でイエス・キリストを思うという形で一つにされているのである」(p.5)と語り、また「キリスト者の兄弟の交わりは、日ごとに奪い去られるかもしれない神の国の恵みの賜物であり、ほんのしばらくの間与えられて、やがて深い孤独によって引き裂かれてしまうかもしれないものである。」 (p.7)を読むと、ボンヘッファーはすでに、自分の行く道を決断し、この期間を過ごし、それを本としても残すことを考えていたのだと思わされる。備忘録をルターの言葉の引用から始める。 (2016.9.18)

  22. 「改訂版 初級簿記」齋藤正章, NHK出版(ISBN978-4-595-31629-6, 2016.3.20)
    会計業務の基礎知識が必要になって、放送大学の教材でもある本書を手に取った。最初はすぐ頭に入ってこなかったが、実際に関わっている機関の財務諸表を読む経験を少ししてから読むと、すっと理解できた。むろん、十分できたとは言いがたいが、次回また、決算と関わるときにもう一度学べば、あるレベルには達することができるように思われる。現在人の教養としても、簿記はもっと学ばれてよいものだと思う。本書p.14では「簿記は、循環過程における資本の変動を、その事実に基づいて貨幣価値的に把握し、勘定という計算形式によって記録・計算し、一定期間における経営成績と一定時点における財政状態を明らかにすることである。」説明している。いくつかの基本等式を理解すれば、理解は難しくない。「資産=負債+純資産」「(財産法)期末純資産ー期首純資産=純損益=収益ー費用(損益法)」「9資産表等式)期末資産+費用=期末負債+期首純資産+収益」決算に関係する用語も丁寧に説明されていて、基本を学ぶことができる。練習問題も確認しながら進むことができ、よくできている。是非、放送大学のオープンコースウェアに公開していただきたい。
    (2016.9.18)

  23. 「星が『死ぬ』とはどういうことか よく分かる超新星爆発」田中雅臣, ペレ出版(ISBN978-4-86064-442-0, 2016.7.25)
    超新星爆発に関する若手研究者が書いた一般向けの本である。研究第一で移動中の機内で書いたなどとも書かれているが、よくまとまっている。明月記における「客星」の記述も、興味深かった。今まで断片的に知っていた知識をまとめるには、役だったが、数式が出てこないので、限界がどのようにして決まるのかが結局分からなかった。ということは、全体としても、お話しとしてしか理解できない。この手の本の限界かもしれないが、残念。同じことだが、シミュレーションである程度再現できることと、できないことの区別も分からなかった。ただ、完全球体だと仮定すると、爆発は起こらないが、そうでないと、起こりうるとのシミュレーションの結果は興味を持った。シミュレーションである程度実現できても、十分理解でたとは、言えないので、その辺が、理解できているとしている部分も、十分納得できない理由でもある。最新の望遠鏡や、衛星によって、何を見ようとしているのかなどの記述は興味深かった。目次:第一部 超新星爆発の存在が明らかになるまで 1章 星は爆発している 2章 歴史に残る超新星爆発 3章 「超新星」の登場 第二部 超新星爆発のメカニズムに迫る 4章 星の一章 5章 星はなぜ爆発するのか(1)重い星の場合 6章 超新星はなぜ輝くのか 7章 星はなぜ爆発するのか(2)軽い星の場合 8章 元素の起源と超新星爆発 第三部 超新星爆発研究の最前線 9章 宇宙最大の爆発 ガンマ線バースト 10章 金を作る「超速新星」 11章 超新星爆発研究のこれから
    (2016.10.9)

  24. 「ベテルギウスの超新星爆発 - 加速膨張する宇宙の発見」野本陽代, 幻冬舎新書(ISBN978-4-344-98239-0, 2011.11.30)
    著者はサイエンスライター、夫は天文学者の野本 憲一氏。オリオン座の中で明るく輝く赤いベテルギウスは星の一生の晩年を迎え、自らを吹き飛ばす超新星爆発をすぐ(2012年)にでも起こす可能性があるということから、急いで書かれたようである。十分な確率が計算されたわけではないことが確認され、多少方向を変えて、もう一つの大きなトピック、宇宙は加速膨張していることの根拠に、超新星爆発の観測結果が使われたことから、話をそちらにつなげて、完結させているように思われる。全体としては、非常の多くの情報が書かれているが、読んでいて、しっかりとした論理で体系的につながっているようには感じられないのは、書き方からか、それとも、わたしの理解が不十分だからか。記述において、年代が前後することが何回もあることも、論理的に理解しにくい背景にあるように思われる。情報には、天文学者についてのエピソードも含まれ、これは、天文学者には、書きにくい部分も含まれているだろう。学問以外の評価をするのは、一般的には敬遠されるであろうから。論理的に理解するには、上の本とこの本をもう一度落ち着いて読む必要があるだろう。しかし、二冊を読んで、大まかな理解を得られたとは思う。また、いずれ天文学の本は、読んでみたい。
    (2016.10.17)

  25. 「南シナ海でなにが起きているのか - 米中対立とアジア・日本」山本秀也, 岩波ブックレット  No.956(ISBN978-4-00-270956-7, 2016.8.4)
    フィリピン政府が「九段線をはじめとする中国政府の南シナ海への領有権主張は不法」だとして、ハーグ(オランダ)の常設仲裁裁判所(PCA)に、海洋の領土領海に関し「フィリピン、中国双方が批准している国連海洋法条約に従って処理すべきだとして」仲裁を申し立てたのは2012年(p.38)、「この仲裁の最終結果が近づいた2016年5月、フィリピン大統領選で、ダバオ市長出身のロドリゴ・ドゥテルテが当選しました。アキノ時代の対中強硬論を抑え込む転機とみた中国外務省は、同年6月『仲裁手続きの取り下げ』と『二国間会談による事態打開』をフィリピン政府に求める声明を発生しました。」(p.39)その後、仲裁裁定(2016.7)が出た後のASEANの会議でも、相互協力が成立せず、ドゥテルテ氏はアメリカとの関係を見直し、中国との新たな関係を目指すと表明(2016.10 この本の出版後)。このような背景の中で、南シナ海でおきていることを理解したいと願い、この本を手にとった。「2014年5月末のある朝、ホーチミン市中心部にある旧南ベトナム政府庁舎前で、67歳のベトナム人女性が焼身自殺を遂げました。現場に残された鞄からは『中国はベトナムの海から出ていけ』『ベトナム海上警察を応援する』といった横断幕が出てきたと言います。」(p.41)等という、私が知らない事件も書いてあった。領土問題は複雑で理解が難しい。特に、南シナ海問題は、歴史背景と言うより、著者(産経新聞編集委員、論説委員)が、中国の「大統一」vs「法支配」と言っているように、文化の衝突という面も含んでいることを確認できた。
    (2016.10.23)

  26. 「中国語のしくみ」池田功著, 白水社(ISBN978-4-560-00361-9, 2007.3.10)
    久しぶりの中国出張の前に、2009年に読んだ「本気で学ぶ中国語」をCDを聞きながらほぼ再読し「インドネシア語のしくみ」がおもしろかったので、この本を手にしてみた。ある程度、中国語を知っていると、確認になることは多少あり、違った方向からの説明という漢字で学ぶことがなかったわけではなかったが、正直、あまり興味を惹かなかった。レベルが低すぎたのかもしれない。ただ「動作のしくみ」はなるほどと思わされることがいくつかあった。入門は完了したといえるレベルで、なかなか次は難しい。
    (2016.10.26)

  27. 「パレスチナ戦火の中のこどもたち」古居みずえ著, 岩波ブックレット No. 928(ISBN978-4-00-270928-4, 2015.6.25)
    著者は、1948年島根県生まれのフォトジャーナリスト。1988年にパレスチナのイスラエル占領地に入り、以後、パレスチナの他、ウガンダやインドネシア、アフガニスタンなどの各地の現状、特に女性や子どもたちの日常を伝えている。最後を「私たちにできることは、大人であれ子どもであれ、戦争というものを体験した人たち、被害を体験した人たちの声を聞いて伝えていくことだ、それが私たちにまずできることだと思う。」と結んでいる。まさに、そこだけに集中して、こどもや若い人たちの聞き取り調査を中心に書かれている。2008年から2009年のイスラエルのガザ侵攻のレポートのために2009年以降、ガザに何度も入り、2012年、2014年の侵攻での被害者を中心に伝えている。国際法が整備され、それによった統治が行われる日が期待されるが、大国の利権も関わっており困難なのだろう。わたしがどうしたらよいかはなかなか難しい。備忘録として、モナの言葉を記す。 (2016.11.2)

  28. 「いま日本においてキリスト者であること」宮田光雄著, 国際基督教大学宗務部(1986.12.20)
    1986年キリスト教週間における5月27日のチャペルでの説教を、録音テープからおこしたものである。宮田光雄氏は、1928年生まれ、東京大学法学部卒、講演当時は、東北大学法学部教授。専門はドイツ思想史。友人もいたことがある「一麦学寮」に学生を住まわせ、聖書研究などを行っていた。西ベルリンの中心のカイザー・ヴィルヘルム教会(爆撃で破壊されたまま残っている)その傍らの礼拝堂にある、クルト・ロイパーの「塹壕のマドンナ」の絵の話、ゲッペルスが靖国信仰羨んだことば「我々が国民意識と宗教心とを完全に一致させるエネルギーを生み出さなかったということが、我々の国民的な不幸である。我々の望むものが現実にどんなものかは、日本国民に見ることができる。そこでは宗教的であるということと、日本的であるということは一致しているのだ。この国民的および宗教的な物の考え方と感情との一体性から巨大なダイナミズムを持った愛国のエネルギーが沸き上がってくるのだ。」(p.3)「何よりも文化民族にとってふさわしからぬ事は、抵抗することなく、無責任にして、盲目的な活動に駆り立てられた専制の徒に統治を委ねることである。」(p.8)スターリングラードで1943年2月18日にドイツ軍が降伏して間もなくのハンス・ショルとゾフィー・ショル兄妹を中心とする「白バラ通信」からの引用。ヴァイツゼッカーのことばと同じ時の中曽根首相のメッセージの対比が続く。(ヴァイツゼッカーの演説は、英語訳字幕のビデオを見たことがあるが、岩波ブックレットにあるということなので、これも読んでみたい。)さらに、アメリカ大統領ルーズベルトの四つの自由「言論の自由、信教の自由、欠乏からの自由、恐怖からの自由」(p.16)これらをつなぎあわせ、ヨハネ8章31節から36節をもとに語られている。さすがに、かなりの迫力である。直接聞くことができなかったのは残念である。
    (2016.11.2)

  29. 「ドイツ語のしくみ」清野智昭著, 白水社(ISBN978-4-560-08656-8, 2014.2.1)
    ドイツ語は大学時代にある程度勉強したが、ある時点から殆ど触れることがなかった。基本的な考え方は知っていたので、思い出すことには役だったと思う。ドイツ語の次のステップへは、どのような本がよいだろうか。「文法用語はちょっと難しいかもしれませんが、これを使うことによって複雑な説明が一言で済むことが多いのです。だから、せめてここに挙げたものだけには慣れておいてください。」(p.47)専門用語を使うときの、どの分野にも通じる大切な真理。「Nur bei Grün. der Kindern zum Vorbild. (緑の時だけ。子供たちにとってお手本に(なりましょう))」(p.135)中学の頃に考えた、モラル。同じ事がドイツの標識にあるようだ。参考図書ガイド「基礎ドイツ語文法ハンドブック」三修社「必携ドイツ文法総まとめ」白水社「中級ドイツ語のしくみ」白水社。
    (2016.11.18)

  30. 「ヨハネ福音書講解 中巻」榊原康夫著、小峯書店 (1977.7.25)
    ヨハネによる福音書の6章から12章部分の注解。2015年春から聖書を読む会でヨハネによる福音書を学んでおり、基本的な情報源の一つとして、高校時代から、愛読している榊原先生の注解を活用した。上巻は持っていたが、中巻・下巻は大学図書館所蔵のものである。榊原先生は、大阪大学工学部中退で、日本キリスト改革派の牧師となったかたで、私も所属していた甲子園教会牧師から、東京恩寵教会の牧師を長く務められた。理系であることが関係しているかどうかは不明であるが、問いに対して論理的に答えていく形式が、私には読みやすいことが、私が愛読する背景になっているのかもしれない。現在の聖書の会での学び方も、基本的な問いを10程用意し、さらに、50程のディスカッション・クェスチョンを用意しておき、質問として投げかけている。この注解を読んで、質問を加えることも多い。講解説教をほとんどそのまま書き起こしているために、必ずしも、聖書の学びの形式とあわないことも多いが、基本的な問いはカバーされており、情報が多く、助けられることが多い。中巻を利用したのは、2015年11月終わりの万座温泉リトリートから2016年12月22日まで。下巻も楽しみである。
    (2016.12.20)

  31. 「シリコンバレー発 アルゴリズム革命の衝撃」櫛田健児著、朝日新聞出版 (ISBN978-4-02-251412-7, 2016.9.30)
    副題:Fintech, IoT, Cloud Computing, AI ... アメリカで起きていること、これから日本で起きること。著者は、スタンフォード大学アジア太平洋研究所リサーチアソシエート、Stanford Silicon Valley - New Japan Project プロジェクトリーダ−、キャノングローバル戦略研究所インターナショナル・リサーチ・フェロー。ASIJ 出身のアメリカ人とのハーフ。スタンフォード大で経済学と東アジア研究を学び、 カリフォルニア大学バークレー校で政治学部博士号取得後現職。1章 アルゴリズム革命とAIのインパクト 2章 クラウド・コンピューティングの本質とは 3章 IoTとビッグデータの進化とは 4章 フィンテックの恩恵は、あらゆる企業に及ぶ 5章 日本企業がこれからすべきこと。仕事が日本企業とシリコンバレーでのビジネスを結びつけることのようで、シリコンバレーでのアルゴリム革命の話よりは、日本企業の問題点と成功例の紹介に重きが置かれている。しかし、クラウドやフィンテックについて基本的なことは、情報を得た。ベンチャーキャピタル(VC)のアントレプレナーへの投資のスピード感を見せつけられると、動体視力の重要性と決断の早さが極端に評価され、富の分配が極端に偏っているひずみがここにあるように思わされる。世界の富が増えていっても、貧富の差は開くばかりで、先進国であっても、給与が下がっていく。この問題をじっくり考えてみたい。それには、もう少し、実際の状況を知る必要がある。ペイン・ポイント、オープン・イノベーションなどの言葉とともに、ビットコインにも興味を持った。
    (2016.12.22)

  32. 「シリコンバレーで起きている本当のこと」宮地ゆう著、朝日新聞出版 (ISBN978-4-02-251399-1, 2016.8.30)
    著者は、朝日新聞サンフランシスコ支局長(女性)で、朝日新聞デジタルで「フロンティア2.0」を連載している。シリコンバレーで起きていることを重層的に理解したいと考え手にとった。今後考えていくことに関する方向性を得た意味でも、この本の選択は良かったと思う。
    以下は備忘録: (2016.12.25)


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