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ICU 理学科について

ICUは1953年の開学以来教養学部一学部で、リベラル・アーツ教育を行っています。学科は6学科に分かれていますが、学科間の垣根も低く、学生はどの学科の授業も履修する事ができます。開学時は、人文科学科、社会科学科、自然科学科(現在の理学科)の3学科でした。理学科は開学以来、ICU のリベラル・アーツ教育の核の一つとして、ICUの教養学部に所属するすべての学生の自然科学教育の責任を担っています。 ここでは、理学科の志望を考えている皆さん向けに、Q&A の形式で、ICU理学科の紹介をしたいと思います。最後に卒業生からの一言を加えました。これから少しずつ増やしていきたいと考えています。

Q & A

  1. 理学科の教育について:
    1. どのような専門分野を勉強できますか?
    2. どの専門分野を勉強するか入学時に決めなければいけませんか?
    3. 学生が専門分野に分かれるのはいつですか? 各専門分野に定員はありますか?
  2. 教育の特徴について:
    1. 理学科と他の大学の理学部とどこが違うのですか?
    2. 理学科の教育にはどんな特徴がありますか?
  3. 卒業後について:
    1. 卒業後の進路について教えてください?
    2. 卒業後は就職を考えていますが、就職状況について教えてください。
    3. 大学院はありますか? 他の大学の大学院に進む卒業生はどれくらいいますか?
    4. 教員免許はとれますか?
  4. 入試について:
    1. どのような入試がありますか? 推薦入学はありますか?
    2. 英語が得意でないと合格できませんか?
  5. その他:
    1. 学費は国立大学と比べると高いと思いますが、奨学金制度はどうなっていますか?
    2. ICU での大学生活について教えてください?
  6. オープンキャンパス:
    1. モデル授業について。
    2. 理学館ツアーについて。
  • 卒業生からの一言


    1. 理学科の教育について:

    理学科には、数学・物理・化学・生物・情報科学の5つの専修分野があります。一年生では、語学などとともに、それぞれの分野の基礎を学び、2年生の最後に一つの分野を選ぶことになっています。これを専修登録と呼んでいます。現在のところ、分野に人数制限はありませんから、基本的に希望の分野を選ぶことができます。これは、学生が計画的に履修できるように指導するためのもので、学ぶ範囲を制限することが目的ではありませんから、3年次以降も複数の分野にまたがって勉強することも可能です。入学のときから分野を決めている学生もいますが、1年生の終わり頃に少し分野を絞り、2年生になって専修分野を決める学生もたくさんいます。

    なお高等学校の教科の地学に対応する専修分野はありませんが、一般地質学 I, II, 一般地質学実習 I, II および天文学の授業が開講されています。卒業研究では、学外の研究機関の協力も得ながら、かなり広範囲の研究の指導も行っています。

    授業内容や、教員については、ホームページ

    http://www.gp.icu.ac.jp/course/natural_sciences.html または
    http://science.icu.ac.jp/japanese/
    を参照してください。

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    2.ICU 理学科の特徴について:

    ICU理学科は教養学部の中の一学科です。大きな理学部で学ぶこととの違いは何でしょうか。研究者として活躍したいという夢をもっている人、自然環境問題や、エネルギー問題などに貢献したいと考えている人、発展途上国で数学や理科を教えたいと思っている人もいると思います。夢を持ち、目標を目指して学ぶのはすばらしいことですね。もちろんまだ何を将来勉強したいか、どのような仕事をしたいのかもはっきりしない人も多いと思います。自然科学や数学に興味はあるけれど、それ以外のことにも興味がある人もいると思います。これらのすべての人にとって大切なのは、大学のときに、自然科学の基礎的訓練を受けること、論理的・科学的に考え、学ぶ力をつけながら人間的に成長していくことではないでしょうか。高度に専門的なことは、大学院ではじめて学ぶことができる事も多いのです。特に自然科学分野では、具体的な問題や研究テーマに取り組む前に、大学4年間で学んでおくことがたくさんあります。ICU理学科では、学生が少人数のクラスで、演習・実習・実験を中心として、一生意味を持つ力、どの分野に進んでも生かされる力をつけること目的にしています。先生と一対一でディスカッションをしたり、学生同士で様々なことについて議論し、少人数でも様々な分野の人たちがともに学ぶ経験は一生の財産になると思います。

    ICU は英語教育に優れているといわれることがよくあります。英語は、高校では文系の科目として位置づけられていますが、英語が一番使われるのは、むしろ科学の世界です。ICUでは、卒業論文を全員が書くことになっていますが、理学科の卒業論文の8割以上が英語で書かれています。専門科目でもいくつもの授業が英語で教えられています。自然科学分野で国際的に活躍して行くためにも、最初に質の高い語学教育を受けることができることは大きなメリットです。

    たくさんの1年生が夏休みには海外英語教育プログラムに参加します。また、3年生は海外の約50の提携校でそれぞれの専門を一年間学ぶこともでき、実際、約1/7の学生がこの留学プログラムに参加しています。取得した単位は、卒業単位に認められますから、留学をしても4年間で卒業することが可能です。交換留学制度が整っているのも ICU の大きな特徴です。

    専門分野の話から説明をしましたが、リベラル・アーツの中で、自然科学を学ぶことは他の日本の大学にはない特徴です。高校を卒業してすぐ一つの専門分野だけを学ぶと、どうしても視野が狭くなってしまいます。ICU では、理学科に所属していながら、他学科の授業を基本的にすべて履修することができます。環境・エネルギー・食料・貧困・平和など世界中の様々な問題との関わりの中で、自分の将来を見つめ、価値観を育て、分析的・批判的に物事を理解し考え行動することを学ぶのは、私たち一人一人にとって重要な課題です。一般教育科目で様々な分野や考え方に接したり、政治・経済・歴史・宗教・哲学・音楽・美術・国際関係などについて学びながら考えることも重要です。上に述べた問題はどれも科学と密接に関係した問題でもあります。科学の役割についても問い、文化的背景も言語も異なる他の分野の人と協力しながら、これらの問題に一生をかけて取り組んでいくために欠かせないものを学ぶ場が ICU であり、ICU 理学科です。

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    3. 卒業後について:

    年によって変化しますが、最近の卒業時の調査結果では、約35%が就職、50%が進学、15%が未定となっています。未定の中には海外などの大学院進学準備が含まれています。就職先は広範囲でかつ職種も多様です。論理的かつ科学的な思考訓練ができ、異なった考えも理解し、自分でしっかりと考え、その考えを表現することができ、さらに語学の訓練もできている理学科卒業生は、社会からも常に高い評価を受けています。進学先は東京大学大学院が多いですが、あとは、ICUの大学院と、東京工業大学大学院が続き、毎年海外の大学院に進学する学生もいます。近年では、毎年3〜4名、医学部に学士入学(3年次編入)しています。法科大学院など、自然科学とは全く異なる分野に進む学生もいます。

    ICU には、理学研究科があり理学科を卒業してから、さらに修士課程で2年間学ぶこともできます。3年終了時に飛び級で大学院に入学できる制度もあります。

    理学科では、数学と理科の中学・高校の教員免許を取得することができます。(教職課程に指定された科目を履修することが必要です。また、他学科の授業を履修して他の教科の免許を取得することも原理的には可能です。)

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    4. 入試について:

    入学試験には、一般入学試験以外に、ICU特別入試 (AO)、センター試験を利用した入試があり、他に 社会人、帰国子女を対象とした入試、他大学からの編入、指定校からの推薦入試があります。また、日本の教育制度以外で教育を受けた学生を対象に、9月からの入学生を受け入れています。海外で教育を受けた学生と同じ教室で学ぶことは、お互いの価値観を問う意味でもすばらしい経験です。入試についての情報は、ホームページ (http://www.icu.ac.jp/admission/) を参照してください。

    よく、「ICU は英語が得意でないとだめですよね。」と聞かれますが、そういうことはありません。一般入学試験では、一般学習能力考査・人文科学学習能力考査・自然科学学習能力考査と英語(聴解力・読解力)学力考査があり、英語はこの中の一つという位置づけです。4月に入学する学生対象に、英語教育プログラムがあり、専門も、日本語と英語の2カ国語で学びますから、英語は大学で勉強したくないという人には ICU はお勧めできませんが、英語の力をつけたい人は歓迎です。しかし、英語に限らず他の大学の入学試験問題とは異なる形式のものが多いので、ホームページにもある昨年度の問題 (http://subsite.icu.ac.jp/prc/admission/GAT/) を参考することをお勧めします。リスニングの問題も聞くことができます。ICU 理学科は、自然科学を学び英語の力もつけたい人には、最適の大学です。

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    5. その他:

    理系の大学は、国・公立が多いですから、そういう大学と比較すると、学費は高いと感じらるかもしれません。少人数教育には、お金がかかります。しかし、この学費に十分見合ったものを皆さんに学んでもらえることを確信しています。また、日本育英会などの奨学金の他に、ICU には開学時から貸与の奨学金制度(ICU奨学融資制度)があり、入学後2学期目以降の学費は希望者の全員が全額、大学から借りることができます。大学で学ぶことは自分への投資ですから、必要な場合はこの貸与の制度も利用してください。このような制度を利用することは日本ではまだ一般的ではないかもしれませんが、実際に、学費をすべてこの貸与の奨学金でまかない、卒業後働いて返済し、さらに大学院などへ進学している卒業生は何人もいます。奨学金についての詳細はホームページ (http://subsite.icu.ac.jp/prc/webcampus/life/financialaid.html) を参照してください。

    ICU はクラブやサークル活動、学生主導の活動も活発で、よく学ぶと同時に様々な活動に積極的に取り組む事を通して学生生活を豊かにしていく場です。また、理学科では、夏にいくつかの分野で、軽井沢や、那須にある、ICU の施設で学生と教員それに卒業生も加わって、勉強会なども行っています。

    緑に囲まれた広いキャンパスは、学生生活を送るためにすばらしい環境を提供しています。キャンパス内には、9棟の学生寮、約50軒の教員住宅があります。オープンキャンパスなどの機会にぜひ、ICUキャンパスを訪ねてください。ホームページ (http://subsite.icu.ac.jp/prc/webcampus/) にも情報満載ですよ。

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    6. オープンキャンパス:

    2006年度は、6月17日(土)/8月25日(金)/26日(土)に、オープンキャンパス、11月3日(金)/4日(土)には ICU祭があります。 オープンキャンパスでは、6月17日に、生物学教授の千浦博先生が、8月25日に、物理学教授で理学科長の北原和夫先生が、26日には、生物学教授の小林牧人先生と、物理学教授の岡野健先生が、モデル授業を行います。理学科ブースでは、理学科の教員と学生が皆さんの質問にお答えします。また、25日/26日とも、理学科の学生の案内で、理学館ツアーを行います。生物を一定の環境で育てるためのバイオトロン実験室の他、放射線によるDNA損傷と修復の研究紹介、レーザー実験装置見学、核磁気共鳴装置およびX線構造解析装置の見学、糖の合成と機能の研究紹介、情報科学実験室の見学などが予定されています。オープンキャンパスのスケジュールについてはホームページ (http://subsite.icu.ac.jp/prc/webcampus/event/2006oc.html) を参照してください。

    夏休み、理学館では4年生たちが、卒業研究の実験や大学院の入試の勉強をしています。理学科の学生や教員と直接話してみることは、将来を考える上でも、志望校を考える上でも、受験の準備をする上でも、とてもよい機会になると思いますよ。

    みなさんのお越しをお待ちしております。

    (文責:理学科 鈴木寛)

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    最近の卒業生からの一言

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    http://subsite.icu.ac.jp/people/hsuzuki/